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レポート

2021.10.5

【NISSOKEN経営情報】成功する企業には、共通する人材育成の考え方がある

NISSOKENグループのWebinar Japan㈱が主催する「サバイバルフォーラム」をご存知でしょうか。これは、隔月で①オンラインセミナーと②経営者によるサバイバル・ダイアログなどが組み合わさった1年間プログラムです。経営者にとって必要な『経営情報』、『実践的な経営ノウハウ』が飛び交う、まさに情報の宝庫です。
先日は、「中小企業の人財育成」というテーマで業種の違う 4 社の成長している中小企業の経営者にに自社の人財育成の考え方から具体的なやり方までお話し頂きました。業種も規模も違う経営者の方々ではありますが、成長する企業には、人財育成について共通する考え方があります。

1.7月26日開催「サバイバル・ダイアログ」コメンテーター
株式会社ボクデン
代表取締役 景山 良康様
経営理念:味づくり人づくり
業種:飲食業

水谷工業株式会社
代表取締役 京極 盛様
経営理念:誇れ、助っ人稼業 敢然と飄々と
業種:あと施工アンカー業

株式会社武蔵境自動車教習所
代表取締役会長 高橋 勇様
経営理念:共尊共栄
業種:自動車教習所、介護

今別府産業株式会社
代表取締役会長 今別府 英樹様
経営理念:環境(まち)創り 人財(ひと)創り
業種:建設・土木業、住宅リフォーム、生活関連機器販売業

※毎回テーマに合わせたコメンテーターをお呼びしています。

2.質疑応答の一部をご紹介します
Q1 教育に対する哲学をお聞かせください

京極氏:
私が職人さんの教育に対する考え方が二つあります。
一点目は、我が社は労働集約型の典型的な業界です。その中でも他社と差別化をしていきたいと思っているからこそ、教育を大事にしています。礼儀、規律規範、モラルなど人間性・人間的な魅力を高めて競合他社とは違う会社を創っていきたいと考えています。
二点目は、根本的なところではあるのですが、職人さんを一人前にしてあげたいのです。建設業の職人さんは、施工の技術はもっていますが、人としての道を外していく人がたくさんいます。我が社の人事理念でもある「技術は人格の上に立つ」を掲げていますが、まず人間として一人前でなければ、良い技術者にはなれないというこだわりをもって教育の時間やお金を投資するようにしています。

今別府氏:
我が社の社是は、「誠実努力で常にベストを尽くす」です。そして、創業者が常に言っていたことは「人に絶対に迷惑をかけない」ということです。誠実の「誠」とは有言実行ということ、「実」とは結果を創るということです。だから誠実になるためには、実力を養わないといけない。だから努力をする。しかも一過性ではなく、常にベストを尽くすということです。このことが我が社の教育の中心になっています。いくら良い理念を掲げても、それを実現する人材がいないと絵に描いた餅になってしまいます。我が社は理念を実現するために、人財育成をしていますし、その土台となっている考え方が、この社是になっています。


Q2 人財育成の中でご苦労された事を教えてください。

景山氏:
外食業界は、独立志向を持っている人が多いです。その中で、苦楽を共にして同じ釜の飯を食べた仲間が退職するときは、身を切られるような痛みです。辞めていく人や現場や幹部の人は、経営者が本当に理念を実現しようと努力をしているのかということを見ているのだと思います。その中で、この状況を打破する為にもう一度理念を再構築しようとし、人事理念も構築しました。理念を作成する中で、右腕左腕が育ってきて、会社が徐々に変わってきました。そこからボクデンの社風が変わってきて、だんだんと良い方向に向いてきています。

高橋氏:
社員さんを守ることを私の使命としています。しかし、教習所業界はこれから先の長い業界ではありません。これから自動車も自動運転になるだろうと考えています。私は 3 年前に「あと 10 年で教習所は廃業する」と宣言しました。その中で、社員とその家族を守り抜く責任があります。そして、2025 年までに 10 の関連会社をつくると社員に約束しています。
このような考えに至ったのも、かつて私は 10 年間にわたって労働組合と闘ってきました。その間、経営の在り方などについて組合や社員と共に話し合ってきました。なにより私の根底にあるのは「叔父の死を無駄にしたくない」という想いからです。そして今の私があるのは叔父をはじめたくさんの人に支えられたからだなと思っています。


Q3 人の苦労から脱出されていると思いますが、そのポイントを教えてください。

高橋氏:
平成元年に社長になり、会社の利益は上がっているのですが、会社にいっても全然仕事が楽しくないといことが続きました。そして、日創研と出会い勉強し始め、社員さんにもどんどん勉強してもらいました。平成 7 年が 35 周年だったのですが、その時に初めて 40 周年には「東京 1 番になろう」と伝えました。多くの社員が「また社長そんなこと言って」と笑っていましたが、数人の社員は、「社長本当ですか!?」と共感してくれました。そこから東京 1 番になるために、どうしたらいいのかを考えて経営をし、社員さんの意識もどんどん変わってきました。結果としては 40 周年の時には、東京で 2 番だったんですが、その当時から比べると 1 番 2番など狙えるなんて本当にすごいことでした。その後も挑戦し続け、我が社は全国でみてもベスト 5 に入る業績を維持し続けています。コロナ禍になり、本当に厳しいのですが、この上半期では、初めて東京で 1 番の業績を上げることができました。そして、今日本全国に約 1200 の教習所がありますが、業績の伸展率では日本一になりました。20%の業績アップをすることができ、日本全国で 3 位の業績を創ることができました。
やはり教育はすぐに、成果はでませんが、しっかりと取り組むことで成果につながっていきます。逆に成果につながるまで教育をしなければ、やったうちには入らないと思います。

今別府氏:
まだまだ苦労は脱出していませんし、今でも苦労していますが、一つ言えるのは、TT を修了して経営理念を創ったということがとても大きいです。我が社の理念が「環境(まち)創り 人財(ひと)創り」ですから、人を創る為にも人財育成をすることは当たり前なんです。そしてこの人財育成も一過性ではなく徹底してやり続けるからこそ成果が出てくるのだと思います。そして、幹部が支えてくれ、今後はその幹部が私の伝道者となり、それを受け継いでいってくれています。そして、そのことで次のビジョンも見えてきています。だからこそ、人財育成の苦労から脱出しているというよりも、人財育成をするしかないと考えています。私の仕事は全体の方向性を示し、いかに社員さんのモチベーションを高めていくか、それしかないと思っています。


Q4人材育成に悩む経営者にアドバイスをお願いします

京極氏:
2 つ申し上げます。
1 つは、経営理念から発想を広げることが大切だと思います。取り組みに一貫性を持たせるということです。一貫性があると、社内の統一感が創りやすいので浸透しやすいですし、お客様にもわかりやすいし訴求力が高まると思います。
もう 1 つは、物事の解釈、受け止め方、立ち居振る舞いを指導教育することが大切だと思っている。食事に連れていく時に伝えるのは、
「今は自分たちがお客様の立場で食事に来ている。仕事の愚痴とかやめて、もっと前向きな話をしよう」と伝える。お店の方に感謝を伝えたり、帰り際にはお皿を揃えたり、混雑の時にはお年寄りとか小さい子供を連れている方には順番を譲るなど見せてあげて、そうして教育していくことが、結果的には回りまわって業績に繋がる、それが本当の人材教育だと思っています。

景山氏:
理念に基づいた人材育成をする、それを信念としてやっています。
僕も心が折れそうなときがある。あきらめたら終わり。今こそ自らに理念を問い、自らを叱咤激励しながら生きていくべき、経営していくべきです。やはり何の為に生まれてきたのか、何のために経営しているのか自らに問いかけるべきであり、経営の基礎と基本を身につけ、その上でこれを応用できる人材を育てる、経営できる人材を育てる。そこに努力の矛先を向け、永続する企業の条件を整えることを大事として歩んでいくべきだと思います。


Q5高収益体質でないのですが、そうするためにはどのような人財育成をすれば良いのですか?

今別府氏:
基本的に全社一丸という考えがすごく大事だと思っています。部門を超えて同じ目標に向かって頑張る。そのことが、ある時は助けてもらえる、ある時は助ける。根底に一緒にやるということが必要です。先ほどの論点にありました、性善説、性悪説両方あると私は思います。美しいものとはボランティアなど、醜いものとは、やはり妬みなど人間色々とある。やはり良いところを見て、悪いところを邪気させない。仕組みも環境もあると思います。会社で食事会では、必ず全員が発言させるようにする。無記名などにすると悪い言葉が出てくる。面談も毎月しっかりやるようにしているが、そういうことの積み重ね。考え方が変わってくる、その人を認めるようになると変化が起きる。表彰状などで認めること、そして叱ることも大切。そして、コア・コンピタンスを持たないといけない。それを持つということは、その中には人材育成力がある。周辺バリューなのか、コア・バリューなのかはその会社によるが、人財育成が基になると思います。


Q6幹部になる人をどのように選んでいますか?幹部向けの人材育成法はありますか?

高橋氏:
色んな機会を与えて、場を与えるということをしている。ほとんどがインストラクターとして入社しますが、次はリーダー。リーダーとして 3 年頑張った人は、次は係長。そういう形でどんどんステップアップ。その場でふさわしい成果を上げた方を上げていく。途中でうまくいかなくてもまた勉強してもらって上がってもらえるようにしています。

今別府氏:
組織に対する忠誠心が一番大切だと思う。社長に対してではなく組織に対して。そのためには経営理念を共有する、ビジョンを明確にすると同時に勉強してもらっています。経営用語も知らないのに経営に参画してというのは土台無理な話です。環境を整えていく。それには時間もお金もエネルギーも惜しみません。徹底してそのことをやる、そうでないと幹部は難しいと思います。

京極氏:
幹部に対しては、部下の面倒見の良さを求めます。自分が職人さん上がりではないので、余計にそういうことを求めるのかもしれません。施工のやり方や車の運転を教える、ということだけではなく、オフィシャルではない部分の関わりが重要だと伝えています。部下
の家族の家族の部分やプライベートをしっかり把握しておくように伝えています。

■次回の開催情報
Webinar Japanサバイバルフォーラム

▶2021年10月6日(水)13:00~17:00
 「オンライン基調講演」
登壇者:東京大学 未来ビジョン研究センター客員教授 西山 圭太⽒
テーマ:中小企業のDX

​​​​開催方法:オンライン開催
申し込み方法:ホームページより 
https://webinar-japan.co.jp/seminar/survival/
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