サイト内検索
REPORT

レポート

2019.02.4

仕組みを変えて、V字回復を果たした良品計画
人が育つ環境をどのようにして生み出したのか。

2019年 新春経営者セミナー 講演記録Ⅰ

仕組みを変えて、V字回復を果たした良品計画
人が育つ環境をどのようにして生み出したのか。

講演テーマ
無印良品の経営改革とグローバル展開

株式会社良品企画 前会長
株式会社松井オフィス 代表取締役社長
松井 忠三 氏

創業以来、初の減益
「無印の時代は終わった」と囁かれた当時

1973年、西友ストアーに入社した松井忠三氏。
1991年に子会社の良品計画に出向し、1992年に同社に転籍しました。
その後、創業以来、初の経常減益となった2001年。
拡大一途だった良品計画の業績が急落し、38億円の赤字に陥る最悪のタイミングで、良品計画 代表取締役社長を引き継ぎました。当時、世間では「無印の時代は終わった」などと囁かれていたそうです。


急速に進んだ大企業病

松井氏は減益となった最大の理由を「慢心、おごり」としています。
もともと245億円の売り上げからスタートしたことで自信満々になり、外に目がいかなくなったそうです。慢心から急速に大企業病化が進み、競合に抜かれる現状や失敗をすべて他人事のように捉え、危機感が喪失していました。
しかし、ライバル企業は世間のニーズや競合企業を研究しており、ブランド力も差をつけられます。
その結果、創業以来、初の減益という結果が生まれたのです。


これまでの企業風土からの決別

根本的な問題は会社の内部構造にありました。一つは「経験主義」です。人事異動はまったくせず、同じ部門で仕事をしていく。するとノウハウが人に依存してしまう。結果、「なぜ売上げが伸びないのか」という問いに「人災です」という言葉が返ってくるようになったそうです。「経験主義」は個人に知識が積みあがるだけで組織として知識が積みあがらない構造なのです。
もう一つが「企画中心主義」です。当時はなによりも企画や計画が重視され、現場の改善などは二の次。その企画が通ったとしても実行が難しいものでした。


人が育つ環境づくり

松井氏は「計画5%、実行95%」とし、全社、全店舗、全店員が業務内容を共有し、同じ質を維持できる仕組みとして約2,000ページにおよぶ業務マニュアル「MUJIGRAM」を作りました。「MUJIGRAM」は日々刷新されます。各店舗からの成功事例などが送られ、エリアマネージャーが取りまとめ、月に1回の店長会議で説明・配布され、最新の「MUJIGRAM」を全社、全店、全店員に共有します。このマニュアルによって、各人が仕事をする上で読み、迷ったら確認することで、全員が同じ質ですぐに実行できるとともに、仕事は受け身で教わるのではなく、自分で考えて働くという「人が育つ」環境が生まれました。


わずか2年でV字回復

仕組みを変え、企業風土を改革し、商品開発・販売・経営・人材育成・システムと全ての領域にわたり、見える化・標準化・仕組み化を進め、その結果38億円の赤字に陥った良品計画をわずか2年でV字回復を成し遂げた。やり切る「仕組み」づくりがブランド力を強くした。
現在、良品計画は、アイテムが衣服・雑貨、生活雑貨などを合わせて約7000品目。海外でも「MUJI」のブランドで展開し、国内外で928店舗まで拡大。グループの売上高が3000億円の大台を超えている。

松井氏の改革は、全従業員が同じ質で仕事ができるようになり、一人ひとりが考えて働くという点で、今さまざまな企業で求められる「全員経営」につながると感じました。2001年という非常に早い段階から「全員経営」に通ずるものへ取り組んでいたからこそ、現在の無印良品の高いブランド力が生まれているのではないでしょうか。
 
 
まだまだ書ききれないほど、たくさんのことを学ばせていただいた講演でした。


主な著作

  • 無印良品が世界でも勝てる理由
  • 無印良品の、人の育て方
  • 無印良品は、仕組みが9割
カテゴリー | レポート