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レポート

2019.07.8

フレデリック・テイラー VS エルトン・メイヨー

フレデリック・テイラー VS エルトン・メイヨー

あなたはどっちのタイプですか?

経営学を学ぶと最初にでてくるテーマであり、
働き方の歴史を知るうえで大事な二人がいます。

1.仕事の標準化を重視したフレデリック・テイラー氏
2.人間関係と対話を重視したエルトン・メイヨー氏

マネジメントの原点にもなる二者の理論は
貴社の人材育成と生産性向上のヒントになることでしょう。

 

 


テイラー氏の科学的管理法

経営学の元祖といわれたフレデリック・テイラー氏は、
「科学的管理法」という手法を提唱し、
生産現場に近代化をもたらしました。

科学的管理法は3つで構成されています。
 ・課業管理
・作業の標準化
・作業管理のために最適な組織形態

まず一定時間でどれだけ生産できるか正確に測定し、
一日のノルマとなる仕事量を設定しました。
そして、仕事を細分化・単純化・標準化・見える化させ、
作業手順や業務マニュアルを作成することで
誰でも特定の作業ができる仕組みを作ったのです。
さらに、組織形態は完全分業制。
「現場」と「管理」の機能に完璧に分けた
ファンクショナル組織をつくりました。

「タスク機能」を全開にしたマネジメント手法です。

 

“マネジメントの父”と呼ばれるあのP・F・ドラッカー氏も
「科学的管理法のテイラーこそ、仕事を研究対象とした最初の人だ」と
マネジメントの原点として高く評価しています。

このテイラー氏の科学的管理法によって、成り行き経営や組織的怠業を
防ぎ、現場の生産性を向上させ仕事の標準化を実現しました。

 

■代表的な例
1.フォードの大量生産方式
当時、車は一般市民には手の届かない高級品だったが、
科学的管理法を応用し流れ作業を想到し、大量生産を可能にした。
それによってアメリカの多くの家庭が自動車を持てるようになった。

2.ベスレヘムスチール社
年間7万5000ドルから8万ドルほど節約し、従業員の賃金向上を実現した。

 

一方で、科学的管理法は様々な批判を受けることも多かったのです。
人間を工場の「機械」と同じように扱っているのではないか、
人間の個性や心理を無視しているのではないかといった声が上がりました。

人間性の軽視や総合力を持った人材が育たないといった
問題にぶつかりました。

 


メイヨー氏の人間的経営

メイヨー氏の名が世に知れ渡るきっかけになったのが
ウェスタンエレクトリック社で行われた『ホーソン実験』です。

当時は科学的管理法を導入する企業が多かったのですが、
製造部門の離職率が異常に高く、社会問題になっていました。

そこでメイヨー氏は経営者に対し、人間的経営の重要性を説き、
ホーソン実験を通して、その証明を行いました。

 

ウェスタンエレクトリック社は、2万9000人の従業員を抱える
大手企業で、電気機器の開発と製造を行っていた会社。

 

■行った4つの実験

1.照明実験(作業環境は生産性に影響を与えるか?)
2.リレー組み立て実験(労働条件の変化は生産性に影響を与えるか?)
3.面接実験(個人の感情が生産性に影響を与えるか?)
4.バンク配線作業実験(職場の人間関係が生産性に影響を与えるか?)

 

■実験によってわかったこと
・物理的な労働環境や報酬は、生産性にあまり影響しない。
・人間の感情部分や職場の人間関係が生産性に大きな影響を及ぼすこと。
→モチベーション・リーダーシップ・やりがい・承認・社会的成果・感情的理由など

 

■結論

・従業員が自ら働く環境の条件を決めたり、目標を設定するなど
自由度が大きくなるほど仕事の満足度は高まった。

・職場の仲間とのやり取りや協力度合が高いほど、
チームワークが強固になった。

・仕事の満足度や作業能率を左右するのは、
物理的な作業条件よりも従業員同士の協力や価値の実感である。

 

この実験により、人間的要素が重要であることが判明し、
メイヨー氏の人間的経営がクローズアップされるようになりました。

生産性を上げるためには、職場環境などの物理的な条件を改善するよりも
従業員のモチベーションを高めることが大切であること。
そのモチベーションを高めるためには、職場における人間関係の改善が
とても重要であることがわかりました。

 


タスク機能とメンテナンス機能

テイラー氏の科学的管理法は「タスク機能」で
メイヨー氏の人間的経営は「メンテナンス機能」です。

どちらが正しいのかという議論を交わせば、永遠に続いてしまいそうですが、
それぞれに長所と短所があり、一方に偏ると短所が表面化してしまいます。

経営を行う上でも、マネジメントを行う上でも、
この両面をバランスよく高めていくことが大切です。

 

 

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