株式会社日本創造教育研究所

ワンポイントアドバイス

第203号「No Rating(ノーレイティング)」は人事評価がないのか?

■No Rating(ノーレイティング)に関する誤解
 
 
前回は、日本でも「No Rating(ノーレイティング)」は検討の価値があることを書きましたので、

今回から、No Rating(ノーレイティング)にまつわる誤解について書きたいと思います。

私は2010年から、社員さまに点数をつけず、給与を評価によって決定しないというNo Rating型人事制度を提唱し、その構築支援を行っていますので、No Rating(ノーレイティング)について実務を通して深く理解していると思いますが、

No Rating(ノーレイティング)についての情報を目にするなかで、事実と違った情報や誤った認識が生じていると感じています。
 
 
No Rating(ノーレイティング)についての誤解としては、下記の3つが代表的なものとして挙げられるかと思います。

① No Ratingでは、人事評価がない
② No Ratingで、マネジャー(上司)の負担が軽くなる
③ No Ratingを導入しないと時代に乗り遅れる
 
 
1つ目の「人事評価がない」という誤解ですが、No Rating(ノーレイティング)が日本で紹介され始めた当初は、

「米国企業が人事評価を廃止した」

というキャッチコピーでの紹介が多かったことが影響していると思います。

このキャッチコピーは、人事を知る人にとっては強烈なので、確かに印象には残るのですが、実際にはNo Rating(ノーレイティング)の本質ではありません。

No Rating(ノーレイティング)を導入している企業では、人事評価における「点数づけ」や「格づけ」を止めたのであって、評価を止めたわけではありません。
 
 
この辺が、人事の実務経験のない方には少しややこしいのですが、

■ 評価 = 現状を明らかにして、成長課題を明確にすること
■ 査定 = ある判断基準によって数値化・点数化をすること

と定義するならば、社員さまの「査定」を止めたわけです。

人が成長するためには、他者からの評価によるフィードバックがとても有効です。

ですから、No Rating(ノーレイティング)を導入した企業さまでは、上司から部下に対して、評価のフィードバックを行う機会を増やすような施策を同時に導入しています。

言い方を変えると、人事評価を廃止したどころか、従来よりも頻繁に、部下への評価を行っているとも言えますので、「人事評価を廃止した」というのはまったく違う情報なのです。
 
 
今回は、No Rating(ノーレイティング)への誤解の1番目について述べてきましたが、2番目以降は次回にしたいと思います。

生きがいラボ株式会社
代表取締役 福留幸輔

バックナンバー