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ONE POINT ADVICE

ワンポイントアドバイス

第003号 財務

今月のワンポイントアドバイスは財務です。金融機関の貸し渋り対策として「中小企業金融安定化特別保証制度」を活用された方もたくさんいらっしゃると思います。いわゆる無担保保証で5千万円まで融資を受けることができるという制度です。平成10年10月1日より取り扱いがはじまり、スタートから申し込みが殺到いたしました。当然、債務超過等の理由により保証が受けられずに融資を断られた会社もたくさんあります。
さて、ポイントはここです。融資を運良く受けられたにもかかわらず倒産してしまった会社。逆に融資を受けらなかったにもかかわらず存続している会社。しかも後者の会社は活性化しているのです。本当に対照的です。

前者を分析してみますと、とにかく資金ほしさに数字を良く見せかけ調達しているケースが多く、甘い審査(私はここにも大きな問題があると思います)をくぐりぬけ見事融資にこぎつけたまでは良いのですがここからが問題です。この企業は資金運用計画はおろか借入の返済計画すらありません。ただ資金繰りが苦しいから借りただけで、簡単に言ってしまえば「延命」しただけです。
一方後者はというと、全社をあげての大リストラを敢行。また、運転資金構造を徹底的に分析し、売掛債権の早期回収からはじまり、製品在庫を極力減らすため部品のみ在庫に持ち受注を受けてから製品製造するなどし、自らが資金捻出の努力を死ぬ思いでしている企業が多いのも事実です。こうした努力が積み重なり企業というのは借りなくても済む企業に成長いくのです。つまり、「借りられるからこのままでいい」という安易な考えと、「借りられないなら自らで何とかしなければ」という発想では言うまでもなく大きな差が出てしまうのです。もう一度安易に借入をするのではなく自社の資金構造をしっかりと把握した上で改善することをお勧めします。

最近コンサルティングの依頼の中でもこの資金調達支援というのが多くなりました。しかし、私が必ず考えることはこの会社が借入できたとしてもそれが単なる延命処置なのかどうか。また、経営者をはじめとして本当に大改革の力強い意思を持っておられるかなのです。
今、金融機関は皆さんのキャッシュフローを最重要ポイントとして評価します。つまり、「この会社はいったいいくら稼げる会社なのか」ということです。それは、利益は会計方針の選択により変化しますがキャッシュはごまかしや選択の余地がないからです。この計画を全社をあげて達成すればこれだけのキャッシュが生み出せ、それをどのように運用するのか明確なものがない以上、安易に借入に走るのはあまりにもリスクが大きいといえるでしょう。

 

財務担当研究員
村尾 謙次

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