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ONE POINT ADVICE

ワンポイントアドバイス

第004号 不満が言えないという不満

みなさん、お元気でしょうか? この環境の中、社会も企業も元気がなくなってきていますが、今こそ、原点に立ちかえり組織の長たる方々のリーダーシップが必要とされています。全国の中小企業を訪問させていただき、その企業の社員の方々とお話する機会が多いのですが、そこで感じるのは、この環境の影響もあるのか「不満が言えないという不満」がどの企業の社員さんも持っているということです。顧客の場合ですと不満(クレーム)は、即、解決するようどの企業でも努力されています。ですから、積極的にそのクレームを謙虚に聞くことが非常に大切であると社員の方々へ教育されていますが、いざ社員の不満につきましては、経営者や経営幹部の方々は謙虚に聞くと言うことが、この環境下においてほとんどできていない企業が多いのが事実です。社員もこの環境では、不満を言うと解雇されるのではないかという不安が先立ち、不満がいえず、不満がどんどん蓄積し、ある時、大爆発してしまうということが起こっています。
そこで、どのような解決策があるか。実は、解決方法は、その企業の持つ社風や企業文化によってかなり違ってきますが、その中でも、共通しうる解決方法として、2,3述べさせていただきます。

  1. 不満を吐き出させる場を提供し、不満を徹底的に吐き出させ、社員間でその不満を共有させた上で、不満だけでは何も解決しないことに気づかせる。(以前は就業後同僚と居酒屋へ行き、会社への不満をはきだすケースが多かったが、最近はノミニケーションが激減している)
  2. 自社の経営ビジョンを再検討し、自社には、将来に対して「可能性」があることを社員に経営者自身が「自信」をもってアピールする。
  3. 目先の処遇(給与、賞与)だけでなく、将来に対する仕事の将来像(これをキャリア・ビジョンと呼ぶ)を明確に打ち出す。

上記のようなことを実施することで、少しは、不満や不安を解消できるのではないかと考えます。今回は、上記のうち3についてくわしくお話させていただきます。
今年の春闘では、賃上げより雇用保証が焦点となっているように、給与や賞与という目先の動機づけ(短期的モチベーション)より、この企業で働きつづけられるという(長期的モチベーション)が重要になってきています。そこで、今回提案させていただきたいのは、自社のキャリア・ビジョンの設定です。
キャリアとは、「その人が、業務遂行能力を通して得られる職務(役割、立場、仕事の内容)と能力(知識、スキル、態度、意欲)のことをいう。」このキャリアを将来どのようにもってほしいかということを明確にしたものを キャリア・ビジョンと言います。たとえば、「分社経営者になる」とか「スーパースペシャリストになる」とか、「社外講師になる」などです。そして、そのキャリア・ビジョンを達成するための手段や手順を明示したものがキャリア・ルートと呼ばれています。これらを経営者みずから設計し、社員に明示することで、社員自身のキャリア・プランを設計することができます。あとは、キャリア・プランを実行していく上で、自社の教育システムや「学ぶ」という社風形成を行なうことが重要になってくるのは言うまでもありません。いくら立派なキャリア・ビジョンを設計しても会社全体に「学ぶ」という風土が確立していなければ、このキャリア・ビジョンも絵に描いた餅になってしまいます。ですから、日創研をおおいに活用し、学ぶ風土作りをしていただきたく思います。
事例としまして、ある販売会社では、1億円プレーヤーになろうとキャリア・ビジョンを打ち出し、それを実現させるための職能資格等級システムと教育システムと連動させ、キャリア・ルートを設計されていますし、ある会社では、日本一の職人をめざすというキャリア・ビジョンを示し、その達成のために具体的な職務基準書と職能要件署を作成され、社員がキャリア・プランを描きやすくしています。この2社では、経営者の方がTTコース、業績アップ、管理者養成6か月コース、ビジネススクールなどを積極的に受講され、社員の皆様にも計画的に日創研へ派遣されておられ「学ぶ」という風土がかなり形成されています。
いま、「資金」という経営資源はかなり減少している企業が多い中でいかにして、社員を動機づけさせるかで悩まれている経営者の方々が多いのですが、まさしく、今こそ、夢、希望、可能性で動機づけしていく必要があるのではないでしょうか。もう一度、原点に戻り、夢、希望、経営ビジョンをリストラクチャリング(再構築)し、経営者自ら元気を取り戻し、社員に「可能性」を見出してあげてください。そして、ぜひ、キャリア・ビジョンを設定し、キャリア・ルートを設計して、社員に明示し、社員みずからキャリア開発プランを設計できる環境を作り出していただきたいと思います。

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