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ONE POINT ADVICE

ワンポイントアドバイス

第156号 強い会社の企業文化とは?

私が人事制度を構築させていただく際に常に意識しているのは、

「人事制度は会社からのメッセージである」

ということです。
人事制度とは、「こういう人財を求めます」「こういう人財を大切にしていきます」「みんなでこういう人財に育っていきましょう!」という会社からのメッセージです。
ですから、金銭的報酬によるアメとムチを使った人事制度は、「みなさん、給料のことを意識しながら仕事してください!」と言っているようなものなのです。
確かに、お給料は生活をするために大切なことですから、「どうやって稼ぐか」を真剣に考えていくことは大切です。しかし、「お金のために仕事をする」ことと「頑張った結果としてお金がもらえる」ということは違います。
何が違ってくるかというと、パフォーマンス面では「創造性」や「独自性」に違いがあり、意識の面では「自主性」や「達成感」「充実感」が違います。「お金のために仕事をする」という意識では、「創造性」「独自性」「自主性」「達成感」「充実感」などが低くなってしまうのです。
環境変化に強い会社の社員さんは、仕事を「自己表現の場」「チャレンジの場」「喜びの源泉」だと感じている割合が高いです。
そういう企業文化をつくることが、人事制度の目的だと思います。
今ちょうど、コンサルティングさせていただいている会社さまで、ビジョナリー・カンパニーを課題図書にしたことがあり、久しぶりに読み返しましたが、やはり素晴らしい書だと思います。
ビジョナリー・カンパニーのなかで、こんな一節があります。

---引用はじめ---

ビジョナリー・カンパニーは、

その基本理念と高い要求にピッタリと「合う」者にとってだけ、
すばらしい職場である。

ビジョナリー・カンパニーで働くと、

うまく適応して活躍するか、
病原菌か何かのように追い払われるかのどちらかになる。

---引用終わり---

病原菌という表現は、企業文化に合わない人を「悪」だとする印象を与えますので、私はこの言葉には違和感があります。「良い」「悪い」の問題ではなく、企業文化と社員さんの持つ価値観との「相性」の問題だと思います。自分の会社の企業文化に合わなければ、辞めれば良いだけです。それが悪いことだとは思いません。
大切なことは、基本理念が浸透しきった企業文化を構築できるかどうかです。
人事制度はそのための道具の一つであって、ただ単に給料を決めるだけの仕組みではないということです。そういう視点に立つならば、金銭的報酬に依存した一般的な人事制度は目的からズレていると思います。

日創研グループ
パートナー・コンサルタント
生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留幸輔

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