株式会社日本創造教育研究所

ワンポイントアドバイス

第164号 損益計算書だけではなく現金の流れを意識して見よう

夏も終わり本格的な秋を迎えようとしていますが、皆様ご健勝のこととお喜び申し上げます。さて、中間決算を迎える企業様も多いとは思いますが、財務管理は万全でしょうか。

あらためて申し上げるまでもありませんが、好業績の会社は社内の財務管理が充実しています。ウラを返せば、しっかり財務管理ができているから、業績がよいとも言えます。今回は、その基本となる、キャッシュフロー(お金の流れ)の捉え方についてのワンポイントです。

私の経験上、損益計算書に記載された売上高や利益については多くの経営者の方が興味を持っていらっしゃいますが、キャッシュフローにはあまり関心が寄せられていないようです。しかし、しっかりとキャッシュフローも確認しておくことをお勧めします。なぜなら、損益計算書だけでは、見えないことがあるからです。

損益計算書は一会計期間の収益(お金が入ってくる原因)と費用(お金が出ていく原因)を集計し、利益や損失を計算します。当たり前のことですが、費用より収益の方が多ければ利益が出ます。

ともすると、この利益分のキャッシュ(現金)が会社に残るように見えます。しかし、そうなるためには、売上も仕入もすべて現金で行ない、在庫も一切残さず、経費もその場もしくはその月中に支払うことが前提になります。このような会社は、ほとんどないでしょう。つまり、多くの会社では、利益とキャッシュにはタイムラグ(時間のズレ)が生じ、一致しないのです。ここに、自社の財務状況を見誤る落とし穴があるのです。

ここで、貸借対照表が登場するわけですが、まずは、それぞれのペアを覚えることが必要です。売上高のペアは売掛金と受取手形(以下売掛債権と呼ぶ)、仕入高のペアは買掛金と支払手形(以下買掛債務と呼ぶ)、売上原価のペアは棚卸資産と言うことです。

つまり、売掛債権が前期と比較し増加している場合は、その分回収が遅れると捉える為、利益よりキャッシュはマイナスになり、買掛債務が増加している場合は、支払いを待ってもらっていると考える為、利益にプラスされることになります。また、棚卸資産が増加している場合は、キャッシュが倉庫で拘束されていると捉え利益からマイナスされることになります。したがって、利益を出していても、売掛債権や棚卸資産が増加していたり、買掛債務が減少していると利益ほどキャッシュは残っていないことになるのです。

後は、損益計算書に載らないキャッシュの増減を、貸借対照表の固定資産の増減(投資)や借入金の増減(財務)で掴めば、ほぼキャッシュフローは明確になります。再度貸借対照表の増減を確認する習慣を身に付けましょう。詳しくはキャッシュフローセミナーで。ご参加お待ちしています。

日本創造教育研究所グループ パートナーコンサルタント
村尾マネジメントコンサルタント 代表 村尾 謙次

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