2026.10.22

【活用事例】株式会社シンコーワ:3K現場から超人財育成企業へ

【活用事例】株式会社シンコーワ:3K現場から超人財育成企業へ

1. 会社紹介:理念と想い

創業の原点に刻まれた「おばあさんの涙」と社会的使命(パーパス)

すべての企業には、その活動の原動力となる「始まりの瞬間」がある。株式会社シンコーワにとってのそれは、1991年(平成3年)2月の創業期に遡る。

ある日、いつもと同じように交通信号機の新設に伴う点灯式に立ち会っていた創業者は、その交差点で一人の老婦人に出会った。彼女は静かに交差点へ花を手向けていた。不審に思った創業者が声をかけると、そのおばあさんは悔し涙を流しながら、堰を切ったように語り始めた。

「もうちょっと早く、ここに信号機をつけてもらうことはできなかったのでしょうか……」

話を聞けば、彼女は10年以上前から「この交差点は危険だから信号機を設置してほしい」と、行政や警察、政治家に対して何度も必死に訴え続けていたのだという。しかし、その願いが届くことはなく、わずか数ヶ月前に子供がこの交差点で車に跳ねられ、命を落としてしまった。そして、その悲惨な事故が起きてから、ようやく行政が動き、今日の点灯式に至ったのだ。

「悲惨な事故が起きて、人が死んでからじゃないと、誰も何もしてくれないのですね」

血を吐くようなおばあさんの悔し涙と訴えに、創業者はまるで頭の上から雷に打たれたような衝撃を受けた。自分たちが扱っている信号機は、単なる鉄の塊や電気設備ではない。尊い命を守り、遺族の涙をなくすための「安全・安心の砦」なのだ。しかし、現実の社会では、電球が1つ切れただけの交換作業すら誰一人迅速に行わず、地域住民が不安を抱えながら生活している。

「こんなことは絶対におかしい。あってはならない」

この強烈な体験が、それまで漠然としていた創業者の経営への意志を、確固たる「社会的使命(パーパス)」へと昇華させた。警察や行政と24時間365日体制で緊密に連携し、この街の安全・安心を絶対的に構築する。信号機設置事業という仕事に誇りと信念を持ち、生涯をかけてやり抜こう──。この強固な「創業の精神」こそが、株式会社シンコーワのすべての活動の土台となっている。


「ともに力を合わせて ともに成長し ともに幸せになる」

シンコーワが掲げる経営理念は、「ともに力を合わせて ともに成長し ともに幸せになる」である。

同社では、「ともに=チームワーク」と定義している。野球というスポーツは、一人のスタープレーヤーだけでは決して勝つことができない。ピッチャーが投げ、キャッチャーが受け、内野手と外野手がそれぞれのポジションで一歩も引かずに自らの役割を全うして初めて、一つのアウトを取ることができる。誰かがミスをすれば全員でカバーし、打線をつないで1点をもぎ取る。

シンコーワはこの野球のチームプレイをそのまま組織のあり方に重ね合わせている。一人ひとりが自らのポジションに責任を持ち、プロフェッショナルとして自立する。それと同時に、フィールドの外で応援してくれる家族や、取引先、地域社会といった「関わるすべての人々」をもチームの一員として巻き込み、「ともに幸せになる」ことを目指している。


若きリーダー・古市治希社長の挑戦

2024年12月、シンコーワは大きな節目を迎えた。若きリーダーである古市治希氏が代表取締役社長に就任したのである。

古市社長は、学生時代は野球に打ち込み、愛知県の名門・東邦高校時代には甲子園に出場。本大会で大会第27号となる見事なホームランを放った輝かしい経歴を持つ。その後、駒澤大学野球部に進み、同級生や後輩に後のプロ野球の一流選手(横浜DeNAベイスターズの戸柱選手や、シカゴ・カブスの今永昇太投手など)を多数持つ環境で、究極の勝負の世界とチームワークの本質を叩き込まれてきた。

 

アスリートとしての高い目標達成意欲と、現場主義の泥臭さを兼ね備えた古市社長が、経営において最も重要視しているのが「人間力=感謝力」である。

「我々のような建設業・インフラ工事業は、技術を追い求めていくのは当たり前です。しかし、お客様が最終的に『次の工事もシンコーワにお願いしたい』と選んでくださる基準は、技術の差ではありません。働く人の『人柄』なのです。だからこそ、私たちは『人で選ばれる企業』にならなければなりません」

ある先輩経営者から贈られた「技術は人格の上に立つ」という言葉を胸に、古市社長は、徹底的な人財教育を通じて社員一人ひとりの人間性を磨き上げ、社会から信頼され、愛される組織づくりに情熱を注ぎ続けている。


2. 会社概要:事業と実績

交通社会インフラの総合パートナー:「交差点まるごと戦略」の強み

愛知県名古屋市に本社を構える株式会社シンコーワは、愛知・岐阜・三重の東海3県と静岡・神奈川・東京を中心に、交通社会インフラを支えるスペシャリスト集団として確固たる地位を築いている。

同社の主軸事業は交通社会インフラ事業の設計・施工・保守メンテナンスであり、交通信号機を主軸に同社が提唱する「交差点まるごと戦略」として、交通社会インフラをワンストップですべて自社で対応する独自のビジネスモデルである。

  • 交通社会インフラ事業:交通信号機交差点の設計・施工・保守メンテナンスをワンストップで対応。5G拡大に伴う通信設備や、安心な社会に欠かせない防犯・監視カメラの設置なども担う。
  • 情報通信事業:携帯電話の基地局や屋外無線LAN、ネットワークカメラの設置など、快適で安心な街に必要な情報通信環境を整備。
  • 電気設備事業:街灯や道路照明のLED化、誘導灯の設置、太陽光などエコ関連、電気自動車(EV)関連機器の構築など、工場・オフィス・公共スペースに対応。
  • 道路標示・区画線事業:道路上の白線や矢印、交通規則に沿った各種道路標示の施工。安全に貢献できる表示について、デザインも含めて提案。

交差点に関わるあらゆるインフラ工事をワンストップで設計から施工、さらには24時間365日の災害・緊急対応を含むメンテナンスまで一貫して提供できる企業は全国でも極めて稀であり、これが他社の追随を許さない圧倒的な競争優位性となっている。


グループシナジー

シンコーワの顧客は、各県警察、国土交通省、地方自治体といった「BtoG」が中心である。公共インフラを担うため、その業績は景気の波に左右されにくく、極めて堅実である。

同社は、周辺事業である警備業、不動産業、屋内電気工事業、道路区画線専門業などを営む同業他社との資本・業務提携(M&Aを含む)を積極的に進めることで、ここ数年で一気にスケールアップを遂げた。各地域に根ざしたグループ各社が業務上のシナジーを発揮し、「道路交通インフラソリューション」を全国規模で提供できる強固なグループ体制(SKWグループ)を確立。その大いなる母体であり、中核を担っているのが株式会社シンコーワなのである。

株式会社シンコーワ https://www.shinkouwa.co.jp/


人間力と圧倒的技術力を磨く「SKWグループ 菰野研修センター」の保有

シンコーワの圧倒的な強さを裏付けているのが、自社で保有する独自の施設「SKWグループ 菰野研修センター」の存在である。

交通社会インフラ工事の現場では、ほんのわずかな施工ミスや知識不足が、人命に関わる大事故に直結する。そのため、同社では新入社員の教育に異例とも言える莫大な投資と時間をかけている。

  • 高卒新卒社員:4年間
  • 大卒新卒社員:2年間

上記を正式な「研修期間」として位置づけ、入社した社員は毎日この「SKWグループ菰野研修センター」に集まり、実習を重ねる。ここでは、国家資格の取得に向けた施工技術や電気工学といった「技術力」を学ぶのはもちろんのこと、それ以上に「挨拶の徹底」「約束を守る」「感謝の姿勢」といった社会人としての「人間力」を徹底的に教育される。

この自社育成システムがあるからこそ、同社は毎年、異業種出身者や新卒の若者をプロフェッショナルへと確実に育て上げ、業界の人手不足という「成長の壁」を軽々と突破している。

 


3. 導入事例:日創研の徹底的な活用と変革

【Before】「嫌なら辞めろ」が口癖だった、過酷な3K現場の過去

現在の輝かしい実績と人財育成企業としての姿からは想像もつかないが、今から約20年前のシンコーワは、お世辞にも「人が育つ会社」とは言えなかった。

2004年〜2005年頃、同社は典型的な「3K」の建設現場そのものであった。当時の口癖は、現在の会長(当時の社長・創業者)も含め、上から下まで、「嫌なら、いつだって辞めていけ」であった。工事現場は殺伐とし、離職率は極めて高く、人が入ってはすぐに辞めていく負のスパイラルが常態化していた。人が足りなくなれば、創業者が歩き回って直接声をかけ、その場しのぎで人員を補給するという有様。下請け仕事が中心で、社員たちも「勉強なんかしたくない」「研修なんて真っ平御免だ」と、学びに対して極めて強いアレルギー反応を示すような荒れた組織風土だったのである。


【転機と覚醒】17TT受講と、創業者が得た「4つの大いなる気づき」

この状況に危機感を抱いた創業者は、2004年から2005年にかけて、日創研(日本創造教育研究所)が主催する長期ビジネス研修「TTコース(17TT)」を受講した。この受講こそが、シンコーワの運命を180度変える「転換点」となった。

創業者は、日創研の極めて厳しくも愛のある学びの中で、それまでの自らの経営姿勢を心の底から猛省した。
「社員が辞めていくのは、社員のせいではない。すべて社長である自分の姿勢、無知が生み出した結果なのだ」と気づいたのである。

このTTコースの受講を通じて、創業者はその後のシンコーワの経営背骨となる「4つの気づき」を得た。

  1. 「無知は人生に壁を作る」
    日創研の講義であるこの言葉は、創業者の胸に深く突き刺さった。学びを怠ることは、会社を潰し、社員の人生を狭める最大の悪であると痛感した。
  2. 「自分が源である」
    他人のせいにせず、社内で起きるすべての問題の根本原因は「経営者である自分」にある。主体的に捉え、自らを反省し行動を改めることの重要性を学んだ。
  3. 「100年永続黒字経営の決意」
    「創業者がいくら一代で素晴らしい会社を作っても、それは50点に過ぎない。後継者を育て、会社が100年続いて初めて100点満点になる」という事業承継の本質に目覚め、後継者育成に舵を切った。
  4. 「新卒採用の開始」
    中途採用に頼るのを辞め、毎年4月にまっさらな新卒社員を迎え入れ、一から大切に育てる仕組みを作ろうと固く決意した。

この4つの決意が、シンコーワに「教育」という名の新しい血液を注ぎ込むことになったのである。


【業績アップの仕組み】売上約16倍を達成した、全社巻き込み型の「全員経営」

日創研の学びを「理念」の共有だけで終わらせず、具体的な「業績」に直結させるために、同社は2005年から現在に至るまで「業績アップセミナー」に社員を継続して派遣し続けている。毎年、名古屋で1名、東京で1名、会社の「未来の幹部候補」を代表として派遣する仕組みを定着させた。

その継続が生んだ成果は、同社の売上・利益の推移が何よりも雄弁に物語っている。

2005年は単体 売上4億7千万円(第16期)で、2025年グループ全体で80億円。売上は実に約16倍へと大跳躍を遂げたのである。しかも、本業の儲けを示す「営業利益の『額』に徹底的にこだわる」という実質本位の経営により、極めて高い収益性と筋肉質な財務体質を維持している。

シンコーワが業績アップセミナーの学びを全社に浸透させるために構築した、独自の「科学的仕組み」は以下の通りである。

① 5人1組のチーム戦による「全社運動化」

研修受講者だけが数字を追うのではなく、全社員が主体的になるよう、社内で5人1組のチームを10数個編成。チーム対抗戦の形で、経費削減や売上向上、業務改善のアイデアを競い合う。

② デジタルツールによる数字の「可視化」

Googleスプレッドシートを活用し、全社員がリアルタイムに日々の数値目標と進捗を入力・閲覧できる仕組みを構築。全社員の進捗が自動集計され、一目で状況が把握できる。

③ チャットツールとRPAによる毎日の意識付け

スプレッドシートのデータを活用し、自社で構築したRPAシステム(AI機能)が毎日、進捗状況や「具体的な削減提案」「次に取るべき行動のヒント」を社内チャットツールへランダムかつ自動で配信する。これにより、現場に出ていて数字を忘れがちな職人たちも、スマホを見るだけで毎日自然と会社の利益状況を「自分ごと」として意識する。

④ 経営方針発表会での「業績アップ表彰」

1年の終わりには、最も会社の利益向上や業務改善に貢献した社員を「経営方針発表会」の場で全社員の前で大々的に表彰。努力を称賛する仕組みを作り、モチベーションを維持している。


【アウトプットの徹底】「受けて終わりにしない」学びを定着させる実践技術

多くの企業が「研修を導入しても、受講者が『いい話を聞いた』で終わってしまい、現場が変わらない」という課題に直面する。シンコーワは、インプットを必ず「アウトプット」に転換させ、実践の場を組織的にデザインしている。

SYSTEM 01

決意宣言と結果報告の「動画アーカイブ化」

研修を単なる「受けっぱなし」で終わらせないよう、受講前後の変化を動画として完全に可視化・データ化しています。

  • 【受講前】決意宣言動画: 「なぜこの研修を受けるのか」「何を会社に持ち帰るのか」をカメラの前で決意表明。
  • 【受講後】結果報告動画: 再びカメラの前に立ち、「研修で何を持ち帰り、実務でどう具体的に実践したか」を自分の言葉で言語化。
  • 【目標実現シートの一元管理】: 作成したシートと動画はすべてデータアーカイブ化され、いつでも見直し可能な体制を構築。

SYSTEM 02

社内での「フォローアップセミナー」の義務付け

「他人に教えるときに、人間は最も深く学び、知識を血肉化する」という脳科学・心理学的な原則を組織の仕組みとして組み込んでいます。

  • 「教える側」への強制転換: 研修から帰ってきた受講者は、自ら社内セミナーを企画・開催し、講師役に挑戦。
  • 学びの水平展開: 研修で得た学びの中から、最低でも1つから2つの重要エピソードを自分の言葉で他の社員にレクチャーし、知識を組織全体に伝播させます。

SYSTEM 03

丸2日間、現場を完全に止めて学ぶ人間力・技術力向上ともに学ぶ会

2026年に18回目を迎えた勉強会。「施工を回す方が目先の売上になる」という言い訳を一切排除し、教育機会をすべての活動の最優先に位置づけています。

  • 【完全現場停止】: 建設現場にとって大損失を覚悟の上で、年に1回、丸2日間すべての現場・工事を停止させて全社員が一堂に会します。
  • 【13の徳目の活用】: 日創研の「13の徳目」を用いたモチベアップ会(徳目朝礼)を全員で実施し、対話と相互理解を深化。
  • 【地域清掃活動】: 全員で地域の清掃活動に汗を流し、地域への感謝と「ともに」の理念を体現します。
  • 【18年間の軌跡】: 学ぶ意欲の低かった職人たちが「勉強するのが当たり前」と捉えるようになるまで、10年以上の歳月をかけて組織に根付かせました。

SYSTEM 04

「グロースカレッジ」の戦略的活用と「双方向コミュニケーション」

eラーニングシステムである「グロースカレッジ」を単なる“教材の丸投げ”にせず、経営トップと現場の心を1対1で繋ぐ強力なコミュニケーションツールにしています。

  • 【社長方針動画の配信】: 毎月、古市社長自らが熱くビジョンを語る「社長月次方針動画」をシステムにアップロード。
  • 【行動宣言のコメント】: 全社員への視聴を義務化。観るだけでなく「動画を受け、自分が今日から現場でどう具体的に行動するか」を必ずコメント欄に入力。
  • 【1対1のフィードバック】: 入力されたすべての熱量あるコメントに、社長や上司が直接目を通し、一人ひとりに激励のフィードバックコメントを返信。物理的に離れた現場で働く社員たちの心を、理念で一つに繋ぎ止めます。

【事業承継】「起業家養成スクール」が生み出す、5年先を見据えた成長ロードマップ

古市治希社長は、2018年に「起業家養成スクール(25期)」を卒業して以降、現在も学び続けている。さらに、2021年より「新しい時代の社長学」を継続し、毎月、日創研のアクティベーターと経営幹部を交えた「戦略策定会議」を1日かけて実施している。

「現在のやり方をなぞるのではなく、5年先、10年先に会社がどうあるべきかという『未来の戦略』を練り、即座に実行に移すための最重要会議です。当社の高い利益率は、この会議での意思決定から生まれています」

さらに、古市社長は、自社が活用するすべてのセミナー(起業家養成スクール, 社長塾, マネジメント, 新入社員研修, 業績アップ, グロースカレッジ等)を網羅した「5年先の個別研修計画表」を自ら作成している。

「この社員は5年後には〇歳になる。その時にはこの役職に就いていてほしいから、逆算して来年は『マネジメント養成コース』、再来年は『業績アップセミナー』を受けてもらおう」

漠然と研修を受けさせるのではなく、一人ひとりの人生と会社の成長ロードマップを完全に一致させ、意図的・計画的に人財を育成する。この緻密な教育計画こそが、新社長によるスムーズな事業承継を成功させ、次の成長フェーズへと会社を強力に牽引するエンジンとなっている。


【成長の覚悟】学びを拒む社員への「愛ある誠実さ」

日創研セミナーの事例発表後の質疑応答において、オンラインの参加者から鋭い質問が古市社長に投げかけられた。

「社内でこれだけ学びの仕組みを導入していると、中には『もう学ぶことに疲れた』『勉強なんてしたくない』と反発したり、ついていけなくなったりする社員はいませんか? その場合、社長はどう関わっていますか?」

これに対し、古市社長は一切の迷いなく、極めて明確に同社の「覚悟」を語った。

「結論から言うと、当社には『すべての人間には、成長する義務がある』という大前提があります。これは当社の会長も口を酸っぱくして全社に伝えていることです。ですから、『学びたくない、自分は今のままで成長しなくていい』という方は、そもそもシンコーワという会社には合いませんし、ついてこれないとはっきり伝えています」

これは一見、冷徹な排除の論理に聞こえるかもしれない。しかし、その本質は全くの逆、極めて深い「愛」と「誠実さ」に基づいている。

同社では、採用の段階において、応募者本人はもちろんのこと、その「親御様(保護者)」に対しても、同社がどのような教育を行い、どのような姿勢を求める会社なのかを、包み隠さずすべて徹底的に説明する。入社式では親御様から新入社員への手紙を読んでもらったり、数ヶ月後には、息子や娘が菰野研修センターでどれほど真剣に学び、成長しているか、最後に「親御様への感謝」を自分の言葉で語る動画を撮影して親元へ送る。

「私たちは、親御様から大切な宝物をお預かりしているのです。その若者を、お預かりした時のままで、何の学びも与えず、ただの作業員として現場で使い潰すことの方が、企業としてよほど不誠実であり、罪深いことではないでしょうか。私たちは本気で彼らを『立派な人間』に育て、幸福を掴んでもらいたい。だからこそ、学ぶこと、成長することからは絶対に逃げさせないし、そのための投資は惜しまないのです」

この揺るぎない教育信念があるからこそ、シンコーワには「本気で人生を良くしたい。成長したい」と願う優秀な若者が全国から集まり、泥臭くも圧倒的な成長を遂げている。


4. 結び:100年永続とスマートシティの未来へ

株式会社シンコーワのビジョンは、単なる「売上高の拡大」ではない。創業者が日創研のTTコースで誓った「100年永続黒字経営と全社員さんが立派な人間になる」。この目的を達成するための手段として、同社はこれからも学び続け、変わり続ける。

現在、同社は2035年に向けた壮大な未来ビジョンを掲げている。それは、内閣府が推進する「スマートシティ」構想や、自動運転社会、さらには超高速通信規格「6G」の導入に伴う、次世代道路交通インフラの構築への参画である。

「私たちの事業目的・ブランドコンセプトは『快適な交通社会づくり、まちづくり』です。これからの時代、交差点は単に信号が赤や緑に光る場所ではなく、自動運転車と通信し合い、街全体の安全データを処理するスマートインフラの要へと進化します。この最先端の領域に、我々SKWグループは総力を挙げて挑戦していきます」

「嫌なら辞めろ」と叫んでいた3K現場が、日創研の学びという最高のツールを手に入れ、約20年で売上を約16倍に成長し、日本有数の「超・人財育成企業」へと変貌を遂げた。シンコーワが歩んできたこの軌跡は、「教育こそが企業を救い、社会をより良くする唯一無二の手段である」ということを、私たちに力強く証明している。