【活用事例】株式会社柏斎苑:日創研の学びから生まれた「想い出づくり 人づくり」と、地域から愛されるソーシャルグッドカンパニーへの軌跡
【活用事例】株式会社柏斎苑:日創研の学びから生まれた「想い出づくり 人づくり」と、地域から愛されるソーシャルグッドカンパニーへの軌跡
千葉県柏市を中心に「ライフエンディングサポート業」を展開する株式会社柏斎苑。二代目の代表取締役である小林裕応社長は、2022年の就任以降、日本創造教育研究所(日創研)の研修を本格的に導入し、大幅な組織変革を実現しました。
本記事では、孤独とプレッシャーを抱えていた2代目社長が、いかにして日創研での学びを自社の経営理念の再構築や組織風土の改革、そして新たなビジョンの実現へと結びつけていったのか、その具体的な軌跡と活用事例をご紹介します。
会社概要
| 会社名 | 株式会社柏斎苑 https://www.kashiwasaien.com/ |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県柏市 |
| 事業内容 | ライフエンディングサポート業 |
| 導入研修 | 起業家精神養成スクール、経営理念塾 ほか |
| テーマ | 理念浸透・組織風土改革・地域に愛される企業づくり |
導入前の課題・取り組み・成果
| 導入前の課題 | 取り組み | 成果 |
|---|---|---|
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導入前の課題
- 2代目社長としての孤独と重圧
- 社員との間にある見えない壁
- 経営理念の解釈にズレが生じていた
- 社風の良さを次世代へつなぐ基準が曖昧だった
- 社会からより応援される企業への進化が必要だった
取り組み
- 日創研の研修を本格導入
- 理念共感度の高い社員を優先的に育成
- 経営理念浸透委員会を立ち上げ
- 50時間に及ぶ議論を経て新理念を策定
- 行動理念十カ条やモデリングで実践を可視化
成果
- 「想い出づくり 人づくり」という理念が誕生
- 理念共感型の組織づくりが加速
- 社員の前向きな学びが社内全体へ波及
- 事業領域を「ライフエンディングサポート業」へ再定義
- 地域で一番愛される企業を目指す基盤が整った
1. 創業の精神と事業承継:2代目社長を襲った「見えない壁」と孤独
株式会社柏斎苑は、地域に根ざした葬祭サービスや高齢者の終活支援を総合的に提供する企業です。創業は1998年12月22日。この日は、創業者が10歳で他界した友人の30回目の祥月命日にあたります。
コーポレートカラーの「サイエンブルー」と白色のコントラストは、天から応援してくれている友人がいる「空」をイメージしたものであり、同社の誠実な仕事と清廉な人柄を表現しています。
この強い想いが込められた会社を2022年8月に2代目の代表取締役として引き継いだのが、小林裕応社長です。小林社長は父親が築き上げた会社を継承するにあたり、「一番負荷がかかることをしよう」と覚悟を決めていました。
しかし、社長就任直後から深い悩みを抱えるようになります。それは、社内で聞こえてくる社員たちの何気ない笑い声に対して、理由のわからない「怖さ」を覚えるようになったことでした。
そして、自分に問い、自分で答えを見つけよう」
この日創研での言葉との出会いが、小林社長の経営観を大きく変えるきっかけとなりました。
2. 継承した最大の財産「社風」と、旧経営理念が抱えていた限界
日創研の研修を通じて小林社長が最初に深く気づかされたのは、先代から引き継いだ自社の最大の財産は「社風」であるということでした。

現場にはすでに、温かさ、挑戦を尊ぶ姿勢、社員の長所を伸ばす文化、そして「お客様満足度まっしぐら」という素晴らしい風土が根付いていました。
しかし、社長が恐れることなく社員と心から笑い合える真の企業風土を築き、維持していくためには、単に仲が良いだけでは不十分でした。全社員が「同じ価値観」を共有し、その価値観の下で自由に意見をぶつけ合える「心理的安全性」が不可欠だと小林社長は学びました。
研修の中で、企業成功の絶対条件は「経営理念の確立」であり、それがあって初めて必要条件である「社風」が生まれるという真理にたどり着きました。

ここで小林社長は、当時の経営理念が抱える課題に直面します。以前の理念に含まれていた「社員を大切にすることにより…」という文言は、本来、社員の自己成長や目標実現に向けた環境を会社が提供することを意味していました。しかし現場では、本質的な意図とは異なる受け止め方が生まれていたのです。
この経験から、小林社長は「理念こそが社風の出発地点である」と痛感し、解釈のズレをなくすための新理念策定と、それを広める人材育成が急務であると確信しました。
3. 「伝道師」の育成と、50時間を費やした新理念「想い出づくり 人づくり」の誕生
理念の浸透を図る上で、小林社長は研修での「前向きな人財から派遣しないと組織が壊れる」という教えを実践に移しました。
限られた経営資源を有効活用するため、仕事のスキル以上に「理念への共感度が高く、周囲から『ありがとう』と感謝されることが多い」前向きな社員に優先して投資を行う方針を打ち出しました。
この方針の下、次世代の理念の「伝道師」を育成すべく、モチベーションが高く参画意識のある社員6名を選抜して「経営理念浸透委員会」を立ち上げます。彼らと共に日創研の「経営理念塾」を受講し、5時間を1セッションとするミーティングを全10回、合計50時間にも及ぶ白熱した議論を重ねました。

私たちは、「想い出づくり」を通じて、心の豊かさの継承に貢献します。
私たちは、「人づくり」を通じて、仲間の笑顔と喜びづくりに挑戦し続けます。
トップダウンで与えるのではなく、社員自身が自らの言葉で理念づくりに深く参画したプロセスそのものが、彼らを自発的で強力な理念の伝道師へと成長させる重要な機会となりました。
4. コロナ禍の悔しさと現場のギャップから生まれた「ソーシャルグッドカンパニー」構想
経営理念が定まった後、小林社長は自社のビジョンと事業領域の大幅な再定義に着手します。その背景には、コロナ禍における強烈な悔しさがありました。
現場でこれほどまでに社会貢献を果たしているのに、世間からは色眼鏡で見られてしまう。小林社長は、同じエッセンシャルワーカーである医療や介護従事者が応援されている姿を見て、「私たちも地域から応援され、愛される企業にならなければならない」と強く決意しました。

このビジョンに基づき、柏斎苑は単なる「葬儀という点」のサービスから脱却し、人生の終盤の社会課題をトータルでサポートする「ライフエンディングサポート業」へと事業領域を大きく拡大させました。
葬儀前の相談サロンの運営や、遺族コミュニティの立ち上げ、老人ホームの紹介、空き家の買取再販サポート、永代合祀墓の提供など、お客様との深い信頼関係をベースにした多角的なサービス展開を実現しています。

5. 理念を行動に落とし込む「行動理念十カ条」とモデリングの可視化
理念とビジョンを組織の末端まで浸透させるため、柏斎苑では「行動理念十カ条」を規定しました。ここでは、「人間力」「考える力」「仕事力」「感謝力」といった具体的な行動指針が明文化されています。
理念浸透の3年目には、十カ条の各項目を最も体現している社員を「モデル」として選出し、その実践内容を見える化する「モデリング」の取り組みを強化しました。
社内のピアボーナス「ありがとうコイン」や、日創研の「Growth college(グロースカレッジ)」も活用し、理念に基づいた素晴らしい行動がどのように顧客の感動に直結しているかを全社で共有しています。

6. レビューはマーケティングツールではなく「人財育成」の宝庫である
柏斎苑におけるGoogleレビュー等の口コミの活用方法も独自の方法を確立されています。一般的にレビューは集客や認知向上のためのものとして扱われがちですが、小林社長は、柏斎苑の真の強みは現場の社員が提供する寄り添いや思いやりといった「情緒的価値・体験価値・関係的価値」にあると考えました。
お客様から情緒的価値を評価された社員を毎月の全社表彰で称えることで、「理念を体現し、お客様に感動を与えた人財が正当に報われる仕組み」を構築しました。
前向きな人材が評価されることで、組織全体が理念共感型へと確実にシフトしていく効果を生んでいます。

7. おわりに:尽きることのない理念への問いと「楽しむんや」の精神
日創研の研修を起点とした組織変革により、柏斎苑では前向きな学びの姿勢が社内全体へと波及しています。小林社長は「お客様満足度に真っ直ぐなこの社風、この空気感だけは、他社には絶対に真似できない最大のノウハウである」と自社の組織力に胸を張ります。
しかし同時に、「理念への問いに正解や終わりはない」とも語ります。経営者自身が悩みながらも楽しみ、前向きに学ぶ姿勢を見せることこそが、社員が心から笑い合える企業風土の醸成に直結するのだと気づいたのです。
現在、柏斎苑は自社の事業の真髄を「いのちに向き合い、送る心とおくられる心を形にする仕事」と捉え直し、経営理念を「いのちをつなぐ 想い出づくり」へとさらに深化させようとしています。
志を高く持ち、日創研という学びの場を通じて自己研鑽に励みながら、社員の幸せと地域社会の課題解決を両立させる株式会社柏斎苑の挑戦は、これからも力強く続いていきます。

理念浸透や組織づくりに取り組みたい企業様へ
日創研では、経営理念の確立、人財育成、組織風土改革に向けた多彩な学びの機会をご提供しています。
自社に合った取り組みについて、ぜひお気軽にご相談ください。






