【活用事例】西田精麦株式会社:「全員参加型経営」への軌跡と過去最高益の達成は経営者の自己変革から始まった
【活用事例】西田精麦株式会社:経営者の自己変革から始まった「全員参加型経営」への軌跡と過去最高益の達成
日本の経済を支える中小企業にとって、「人材育成」と「社風の改善」は永遠の課題です。長年業績を伸ばしてきた企業であっても、外部環境の激変や世代交代の波に直面したとき、経営者自身が自らのあり方を見つめ直し、組織全体を根本から変革する必要に迫られることがあります。
本記事では、熊本県八代市に本社を構える西田精麦株式会社(代表取締役社長:西田啓吾氏)が、日創研(NISSOKEN)の提供する多種多様な研修プログラムを活用し、経営者自身の深い気づきを経て、社員を巻き込んだ「全員参加型経営」へと組織を生まれ変わらせた感動的な軌跡と、その圧倒的な成果について詳しく紐解いていきます。
会社概要
| 会社名 | 西田精麦株式会社 https://westa.co.jp/ |
|---|---|
| 所在地 | 熊本県八代市新港町2-3-4 |
| 創業 | 1929年(昭和4年) |
| 代表者 | 代表取締役社長 西田啓吾氏 |
| 事業内容 | 大麦を中心とした穀物加工・食品製造 |
| 従業員数 | 96名(男性60名、女性31名) |
| 売上高 | 77億7,000万円 |
| 導入研修 | 可能思考セミナー、TT、沖縄ビジョンセミナー、経営理念塾、企業内マネジメントコーチング、業績アップ6か月、業績アップ上級、新しい時代の社長学、田舞塾 ほか |
導入前の課題・取り組み・成果
| 導入前の課題 | 取り組み | 成果 |
|---|---|---|
|
|
|
導入前の課題
- 主力の麦焼酎市場が縮小し、先行きに危機感があった
- トップダウン型で、社員から意見が出にくい組織風土だった
- 後継者として父との確執や葛藤を抱えていた
- 理念はあっても、全社で実践する土壌が弱かった
- 学ぶ社風が形骸化しつつあった
取り組み
- 26TTで自己理解と後継者としての覚悟を深めた
- 沖縄ビジョンセミナーで使命を明確化した
- 理念体系図を刷新し、ミッション・ビジョンを再構築した
- 社内大学「未来塾」を開講し、全員参加型経営を推進した
- 日創研研修を人事評価基準に組み込み、学ぶ社風を再構築した
成果
- 社員が自ら考え動く全員参加型経営へ進化
- 労働環境が大幅に改善
- 離職率が半減し、社員数も増加
- 粗利額は焼酎ブームのピーク時を上回った
- 売上・経常利益ともに過去最高益を達成
1. 西田精麦株式会社の概要と、立ちはだかる厳しい外部環境
西田精麦株式会社は、1929年(昭和4年)に創業し、間もなく100周年を迎える歴史ある企業です。所在地は熊本県八代市の新港町で、港のすぐそばという立地を活かし、国内外から集まる大麦などの穀物を加工する食品メーカーとして地域経済に貢献してきました。
同社の事業は多岐にわたり、熊本産大麦の90%以上を加工し、九州トップクラスのシェアを持っています。主力となるのは、麦焼酎や麦味噌の原料となる醸造用、家畜の餌となる飼料用、そして麦ご飯、グラノーラ、オートミール、もち麦などの食品用です。

しかし、現在の代表である西田啓吾氏が2009年に入社した当時、会社は深刻な外部環境の変化に直面していました。同社の成長を牽引してきた麦焼酎市場が大きな転換期を迎えていたのです。
麦焼酎ブームは2004年をピークに減少に転じ、市場規模は大きく縮小しました。西田氏が入社した頃には、社内には「何かがおかしい」という危機感と混乱が広がっていました。
2. 厳格な父(先代)への反発と、日創研「26TT」での劇的なパラダイムシフト
西田精麦は、初代が創業し、2代目が営業で開拓し、3代目である西田氏の父が工場を次々と増設して生産体制を盤石なものにしてきた家族経営の会社です。先代の父は生粋の現場主義者であり、西田氏にとっては恐怖の対象でもありました。
西田氏は「自分はあのような大人にはならない」と反面教師にしつつも、長男としての責任感から家業を継ぐ決意をして入社しました。しかし父との間には深い心のわだかまりがあり、心を開いて関われないほどの断絶がありました。
そんな西田氏の経営者としての人生を決定づける最初の転機となったのが、2013年に受講した「企業内教育インストラクター養成コース(26TT)」でした。
このメッセージを受けた瞬間、西田氏は、父の厳しさの奥にあった深い親心に心底気づかされました。この体験により父との関係性は修復され、西田氏は後継者としての真の心の準備を整えることができました。
3. 「ビジョン経営沖縄セミナー」で見出した命の意味と、究極のミッション
さらなる大きな転機が訪れたのは、2018年に受講した日創研の「ビジョン経営沖縄セミナー」でした。5日間にわたり日常業務から離れ、自分自身や会社の未来について深く見つめ直す特別なプログラムです。

セミナー4日目の夜、西田氏の脳裏に、自分たち夫婦と両親、そして幼い娘たちが大きな食卓を囲んで笑い合っている光景が鮮明に浮かびました。その中には、2年前に死産で亡くなっていた娘の姿もありました。
その瞬間、西田氏は「自分の仕事は、世の中にこうした笑顔の食卓をつくるためにある」と直感し、命の意味と仕事の意味が一つになったのです。

4. 経営理念の刷新と「新しい時代の社長学」で突きつけられた現実
自らの使命を確信した西田氏は、それまでの「良いものを安く」という時代に合わなくなった理念を見直し、社員を巻き込んで新たな理念体系図を作成しました。

しかし、理念ができても、それを組織の末端まで浸透させることは容易ではありませんでした。2018年から2020年にかけて受講した「新しい時代の社長学」で、西田氏は自社の現在地を痛感します。
この研修で学んだ内容を社内で展開しようとした際、社員からは全く意見が出ませんでした。これまで西田氏が一人で考え、完成した結果だけをトップダウンで指示し続けてきた弊害が、ここで明確に露呈したのです。
5. 自走する組織を作る社内大学「未来塾」の開講
社員一人ひとりが自ら考え、行動する全員参加型経営を実現するため、西田氏は2021年から自らがファシリテーターとなり、社内大学「未来塾」をスタートさせました。
未来塾では、全社、醸造、飼料、食品、管理という5つのグループに分かれ、毎月1回・半日を費やし、1年間かけて次年度の経営計画書を作成・実践していきます。

西田氏は「経営計画書を作ることは重要だが、作成のプロセスはもっと重要である」と語ります。経営者が一人で作るのではなく、幹部や将来のリーダーを巻き込んで一緒に作成することで、計画が自分事化し、実践の度合いや実行スピードが大きく変わっていくのです。
6. 学ぶ社風の再構築と、TT生誕生による組織の覚醒
社内での未来塾の推進と並行して、西田氏は社外研修の活用にも大きく舵を切りました。2019年頃までは、研修参加は本人の希望任せになっており、受講者が減少して形骸化しつつありました。
そこで2020年から、研修受講を人事評価基準の必須項目に組み込みました。この強いコミットメントにより、社内の研修受講率は劇的に向上しました。
SC受講者:68名(社内受講率73%)
SGA受講者:56名(社内受講率60%)
TT:3名
業績アップ6か月:13名
企業内マネジメントコーチング:14名
マネジメント養成6か月:7名
さらに大きな成果は、10年ぶりにTT受講生が3名同時に誕生したことです。経営者と同じ視座で対等に議論できる強力なリーダー層が育ったことで、組織の推進力は爆発的に向上しました。
7. 劇的な労働環境の改善と、過去最高益の達成
経営者自身の心の変革と、全員参加型経営の仕組みづくり。この両輪は、西田精麦の数字と社風に驚異的な成果をもたらしました。
平均有給取得日数:4.5日 → 16.4日
残業時間:サービス残業が常態化 → 年平均123時間(月約10時間)
平均給与:431万円 → 543万円
離職率:14% → 7%
社員数:57名 → 91名
これほどまでに労働環境を改善し、従業員への還元を増やしているにもかかわらず、会社の業績は絶好調です。主力市場の縮小という逆風の中にあっても、社員一丸となった戦略の実行により新たな価値を創造し、売上・経常利益ともに過去最高益を更新し続けています。
8. 学び続ける組織だけが、最高の笑顔を創り出せる
西田啓吾社長は、「人材育成の第一歩は、経営者自身の『自分育成』である」と断言します。26TTで親の愛に気づき、沖縄ビジョンセミナーで命の意味を知ったことが、すべての変革の原動力となりました。

日創研での学びをただの知識として終わらせるのではなく、自社のDNAとして定着させた西田精麦株式会社。その歩みは、経営者の深い情熱と、それに共鳴して自律的に動く社員たちの力が融合したとき、企業はどんな逆境の中でも永続的に成長できることを見事に証明しています。
理念浸透や全員参加型経営に取り組みたい企業様へ
日創研では、経営者自身の自己変革から、経営理念の確立、人財育成、組織風土改革まで、企業の成長を支える多彩な学びの機会をご提供しています。
自社に合った取り組みについて、ぜひお気軽にご相談ください。






