2026.02.3

経営戦略とは?定義や基本的な知識、押さえておきたい用語について解説

経営戦略とは?定義や基本的な知識、押さえておきたい用語について解説

企業が成長し、継続的に発展していくためには、明確な経営戦略が欠かせません。しかし、「経営戦略とはそもそも何なのか」「なぜ経営戦略が必要なのか」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、これまで全国14,000社以上の会員企業様を支援してきた日創研が、経営戦略の基本概念や定義、押さえておくべき基礎知識について解説します。

経営に関するおすすめのセミナーについてもまとめていますので、経営についての理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

経営戦略の定義とは

経営戦略とは、企業が変わりゆく外部環境(技術の進化・ビジネスモデルの変化など)に対応しながら、持続的な成長と発展を実現するための長期的な方針を示すものです。

自社が保有する人材・設備・資金・情報・知的資産などの経営資源をどのように活用し、どの領域へ重点的に配分するのかを明確にすることで、競争優位を築き、維持するための方向性を定めます。不安定な市場・業界で安定した成果を上げるためにも、どのように経営を進めていくかという戦術は欠かせません。

このような取り組みを通じて、企業は自社ならではの強みを活かしながら、継続的な成長を実現できるようになります。

なぜ企業は経営戦略を立てる必要がある?重視される理由3つ

経営戦略は、企業が成長・発展していくうえで欠かせないものです。特に重視される理由として、以下の3点が挙げられます。

【経営戦略が重視される理由】

  1. 企業の方向性を明確にするため
  2. 経営資源を最適に配分するため
  3. 競争に勝ち、持続的に成長するため

ここからは、それぞれの理由について詳しく解説します。

1. 企業の方向性を明確にするため

経営戦略を立てる最大の目的は、企業がどこを目指し、何を優先して取り組むのかという「方向性」を明確にすることです。

戦略が曖昧なままでは、部署ごとに判断基準が異なり、組織全体の力が分散してしまいます。一方で、明確な戦略があれば、全社が共通の目標に向かって意思決定でき、一体感のある事業運営が可能になります。

経営戦略は企業にとって中長期的な道しるべのようなものです。方向性がはっきりしているほど、短期的な市場変化が起きても迷いなく対応でき、ぶれない経営を実現できます。

2. 経営資源を最適に配分するため

経営戦略は、人材・資金・時間など限られた経営資源を最も効果的に活用するためにも必要です。

すべての事業に十分な資源を投じることは不可能なため、戦略に基づく優先順位づけが欠かせません。戦略があれば、投資判断や人材配置の精度が高まり、組織全体の成果を最大化しやすくなります。

また、経営戦略は「何に取り組むか」だけでなく「何をやめるか」を決める根拠にもなります。成長が見込める事業や強みを活かせる分野を選択し、人材・資金・時間といった資源を集中させることにより、より効率的で効果の高い経営が実現します。

3. 競争に勝ち、持続的に成長するため

市場は、技術革新や顧客ニーズの変化、競合他社の動きによって常に変化しています。激しい変化に対応しながら競争力を高め、持続的に成長するためにも経営戦略が必要です。

明確な戦略があることで、自社の強みを活かした差別化が進み、競争優位を築きやすくなります。その結果、企業は安定した成長を支える基盤を手に入れることができます。

さらに、経営戦略は単に競争に勝つための方法ではなく、企業価値を長期的に高めるための取り組みでもあります。不確実性の高い時代だからこそ、戦略の重要性はますます高まっています。

経営戦略がある企業/ない企業の違いとは

経営戦略がある企業/ない企業の違いとは
企業に経営戦略があるかどうかは、組織運営の質や成長スピードに大きな差を生みます。ここでは、両者の特徴を比較しながら、その違いを整理します。

経営戦略がある企業の特徴

経営戦略を明確に持つ企業は、自社の未来像をはっきり描き、その実現に向けて一貫した行動を取れる点が特徴です。

目指す姿や優先すべき取り組みが社内で共有されているため、人材・資金・時間といった経営資源を効果的に配分できます。
その結果、意思決定の軸がぶれにくく、市場環境が変化しても大きく振り回されず、競争にも強い傾向があります。

さらに、組織全体が同じ方向へ進むことで一体感とスピード感が生まれます。長期的な視点で判断しつつ、短期的な変化にも柔軟に対応できるため、投資すべき分野や削減すべき領域を明確にし、質の高い意思決定が可能になります。

経営戦略がない企業の特徴

一方、経営戦略を持たない企業は、短期的な状況に左右されやすく、組織としての力を十分に発揮しづらくなりがちです。

将来像や優先順位が不明確なため、その場しのぎの判断が増え、部署ごとに異なる方向へ進んでしまうことも多くなります。その結果、人材や資金が効果的に活用されず、成長が頭打ちになってしまうことがあります。

また、市場環境が変わるたびに判断がぶれたり、対応が遅れたりすることで、成果につながりにくい業務が増加することもあります。短期的な数字や競合の動きに過度に引きずられるほど、自社の立ち位置が曖昧になり、長期的な成長はますます困難になるでしょう。

経営戦略の種類

企業が持続的に成長するためには、目的や役割の異なる複数の経営戦略を組み合わせることが重要です。代表的な戦略として、以下があります。

全社戦略
  • 企業グループ全体の方向性を定める戦略
  • どの市場で戦うのか、どの領域に資源を振り向けるのかといった大きな意思決定を担う
事業戦略
  • 各事業部がどのように競合と差別化し、市場で成果を上げるかを具体的に描く戦略
機能別戦略
  • 人事、マーケティング、営業、生産などの各部門が事業戦略を実行するために取る行動を示す

このように3つの戦略は階層的につながっています。全社戦略を軸として事業戦略・機能別戦略が連動することで、組織全体の方向性が一致し、企業全体としての成果を最大化できます。

知っておきたい経営戦略の用語を整理

経営戦略を立てるうえでは、多くの専門用語を理解しておく必要があります。ここでは、基本となる代表的な用語を整理して解説します。

【知っておきたい経営戦略の用語】

  1. ミッション
  2. ビジョン
  3. バリュー
  4. SWOT分析
  5. 3C分析
  6. PEST分析
  7. 競争優位
  8. コア・コンピタンス
  9. ポジショニング
  10. PDCAサイクル

1. ミッション

ミッションとは、企業が社会の中でどのような役割を果たすのかを示す存在意義のことです。

「私たちは何のために存在するのか」という問いに対する答えであり、企業の根本的な使命を明確にします。

例:「人々の暮らしをより豊かにする」など

2. ビジョン

ビジョンは、企業が将来どのような姿を目指すのかを描いた理想像です。

「私たちはどんな未来を目指すのか」という方向性を示し、長期的な成長イメージを共有する役割を持ちます。

例:「世界で最も信頼されるブランドになる」など

3. バリュー

バリューは、企業が大切にする価値観や行動指針を表します。

社員さんがどのように行動すべきかの基準となるもので、組織文化の土台にもなります。

例:「挑戦を恐れない」「チームワークを大切にする」など

4. SWOT分析

SWOT分析は、自社の現状を把握する基本的なフレームワークです。

  • S(Strength):強み
  • W(Weakness):弱み
  • O(Opportunity):機会
  • T(Threat):脅威

内的要因(強み・弱み)と外的要因(機会・脅威)を体系的に整理し、戦略立案に必要な材料を揃えます。市場を客観的に把握するために不可欠な手法です。

5. 3C分析

3C分析は、以下の3つの視点から市場を把握するフレームワークです。

  • Customer(市場・顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

市場や顧客の特徴を理解し、競合の動きを踏まえたうえで、自社がどのように勝てるのかを見極めるために用いられます。戦略づくりの初期段階で活用されることが多い手法です。

6. PEST分析

PEST分析は、以下4つの外部環境を整理するマクロ分析です。

  • P(Politics):政治・法規制
  • E(Economy):経済動向
  • S(Society):社会・文化・人口
  • T(Technology):技術革新

外部環境の変化を把握し、長期的な戦略判断に活かすための重要な手法です。

7. 競争優位

競争優位とは、他社に比べて優れた強みや差別化要因を持っている状態を指します。市場で安定して成果を出すための中心的な要素です。

例:圧倒的なブランド力、独自技術、低コスト構造 など

8. コア・コンピタンス

コア・コンピタンスは、企業の中核となる強みや能力のことです。

単なる商品や製品、サービスではなく、他社が簡単には真似できない特徴であり、競争優位を生み出す源泉になります。

例:自動車メーカーにおける高度な生産技術 など

下記の記事では、日創研が支援した企業でコア・コンピタンスの事例について解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

9. ポジショニング

ポジショニングとは、市場の中で自社の立ち位置を明確にする取り組みです。

「誰に・何を・どのように提供するのか」を定め、顧客にとっての価値を分かりやすくすることが目的になります。

例:「高品質でプレミアムなブランド」といった立ち位置 など

10. PDCAサイクル

PDCAサイクルは、業務や戦略を継続的に改善するためのプロセスで、以下の4つのステップから成り立ちます。

  • P(Plan):計画
  • D(Do):実行
  • C(Check):評価
  • A(Act):改善

計画(Plan)を立て、実行(Do)し、評価(Check)を行い、改善(Act)につなげる流れを繰り返すことで組織は成長していきます。継続的な改善を習慣化するうえで欠かせない考え方です。

経営戦略の構成の手順

経営戦略を効果的に構築するためには、明確な手順に沿って進めることが重要です。主に以下の手順を踏んで構成をしていきます。

1.経営理念・ビジョンの策定 企業がどのような価値を社会に提供し、将来どのような姿を目指すのかを定める
→戦略づくりの方向性が明確になる
2.外部環境の分析 政治や経済、競合状況など、自社を取り巻く環境を多面的に把握
→どのような機会や脅威が存在するのかを整理
3.内部環境の分析 自社が持つ強みや強化すべきポイントを把握する
→実現可能な戦略の基盤を整える
4.戦略オプションの立案・選択 分析を踏まえ、戦略オプションを複数検討し、最適な選択肢を決定
→効果的で実現性の高い選択肢を選び、具体的な戦略として確定
5.戦略の実行とフィードバック 戦略を実行に移し、組織全体で取り組みを進める
実行後には必ず評価を行い、戦略が成果につながっているかを確認する
→結果に応じて改善を重ねることで、より強い戦略へと進化させる

経営戦略の基本をおさえてより良い実行を

経営戦略の基本をおさえてより良い実行を
経営戦略とは、企業が外部環境の変化に対応しながら、持続的な成長と発展を実現するための長期的な指針です。言い換えれば、企業がどの方向へ進むべきかを示す「コンパス」のような役割を果たします。

ただし、戦略を立てるだけでは不十分です。実行と定期的なフィードバックを繰り返しながら調整していくことで、はじめて効果的な経営戦略へと育っていきます。まずは経営戦略の基本を理解したうえで、自社が今後どのような方向性を持って進んでいくべきかを意識してみましょう。

また、経営戦略をはじめ、経営全体の学びを深めたい方へ向けて、日創研のおすすめセミナーもご紹介します。

1. 経営理念と戦略ワンポイントセミナー

経営理念と戦略ワンポイントセミナー」は、2日間にわたるプログラムで、企業理念(何のために存在する企業なのか)とその理念を根拠にした戦略構築をテーマとしています。

経営理念がなぜ重要か、その機能や効果を理解することや理念から戦略へ展開させるための思考・仕組みを学ぶことができます。

成功企業の事例紹介、講義+ディスカッション形式で進行するプログラムなので、自社の経営に課題を感じている方や経営者の方に特におすすめの内容です。

セミナー受講者の声はこちら

2. マネジメント養成6か月コース

マネジメント養成6か月コース」は、管理職・幹部候補向けの長期プログラムで、組織マネジメントの実践力を総合的に養うことを目的としています。

経営数値達成に向けたマネジメント能力(目標設定、戦略決定、メンバー育成など)を身につけるほか、自らのリーダーシップ・組織運営の課題を発見し、改善していく実践的な力が学べます。

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3. 実践マーケティング塾

実践マーケティング塾」は、マーケティングは「価値を創り、伝え、提供すること」と捉え、顧客視点で市場を見直すことから始めるプログラムです。複数回にわたり、理論+事例+自社の戦略立案を行う形で進行します。

顧客視点・価値提供といったマーケティングの本質を理解するほか、作成した自社のマーケティング戦略に対し、他者からフィードバックが得られます。

セミナー受講者の声はこちら

経営理念と戦略ワンポイントセミナー

理念経営に必要な要素とは何か? 経営の根幹となる経営理念を多角的に検証。 成功企業の志の秘密を探り、成功企業になった要因を明確にします。また志を持って経営に取り組む中小企業経営者の経営手法を事例として研究します。

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