2025.09.16

コーチングの種類とは?それぞれの特徴と活用場面をわかりやすく解説

コーチングの種類とは?それぞれの特徴と活用場面をわかりやすく解説

コーチングとは、コーチとの対話を通じて、目標達成や自己成長を支援するコミュニケーション手法です。

一口にコーチングと言っても、ビジネスパーソン向け、経営者向け、メンタルの安定を目的としたものなど、さまざまな種類があり、ビジネス、スポーツ、ライフスタイルなど多様な分野で活用されています。

本記事では、全国14,000社以上の会員企業様を支援してきた日創研が、コーチングの種類とその特徴をわかりやすく解説します。

また、自分に合ったコーチングを選ぶためのポイントや、信頼できるコーチの見極め方についても紹介しています。自分に適したコーチングを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

コーチングとは?

コーチングとは、コーチ(支援者)とクライアント(相談者)が対話を通じて行うコミュニケーション手法の一つです。コーチはクライアントに対して問いかけを重ねながら、相手の内側にある考えや価値観、行動の選択肢を引き出すことを目的としています。

コーチングでは「答えは相手の中にある」という前提が大切にされており、コーチは指導や助言をするのではなく、クライアントの自発的な気づきや成長をサポートします。その結果、本人の意志による行動や変化を促すことが可能になります。

こうした特性から、コーチングは個人の自己成長にとどまらず、組織における部下育成やリーダーシップ開発、キャリア形成の支援手法としても広く活用されています。

コーチングによって得られるメリットとは

コーチングを活用することで、個人や組織の両面において多くのメリットが得られます。

▼個人におけるメリット

  • 自己理解が深まり、キャリアや人生の目標が明確になる
  • 行動に対するモチベーションが持続し、成果に向けた取り組みが加速する
  • メンタルの安定やストレスへの耐性が高まる
  • コミュニケーション力や対人スキルの向上が期待できる
  • 感情のコントロールがしやすくなる など
▼組織全体におけるメリット

  • 自主性が育まれ、「指示待ち」の文化が減少する
  • チーム内での信頼関係が強化される
  • 業務の効率性が高まり、生産性が向上する
  • 社員の満足度が上がり、離職率の低下につながる など

企業によっては、これらの効果を狙って「社内コーチ制度」や外部専門家によるコーチング導入を積極的に行っているところもあります。

ティーチングとカウンセリングとの違い

コーチングは、ティーチングやカウンセリングと混同されることがあります。いずれも「人の成長を支援する」という点では共通していますが、それぞれの目的やアプローチに違いがあることを知っておくとよいでしょう。

項目 主な目的 アプローチ
コーチング 自発的な行動・変化の促進 問いかけと傾聴によって相手の中から答えを引き出す
ティーチング 知識・スキルの学習 教える側が正解やノウハウを伝える
カウンセリング 感情の整理・心の回復 共感や傾聴を通じて感情を受け止める

▼それぞれの活用場面・例

コーチング ・目標達成に向けて「どうすれば自分の強みを活かせるか?」を深掘り
・上司が部下に「どうなりたい?」と問いかけ、答えを引き出す
・キャリアに迷う人がコーチとの対話を通じて方向性を見出す
ティーチング ・新入社員に「Excelの使い方」や「ビジネスマナー」を教える
・講師が専門知識やノウハウを解説し、生徒が学ぶ
・マネージャーが部下に「成果の出る営業手法」を伝授する
カウンセリング ・落ち込みや不安、過去のトラウマについて相談する
・人間関係に疲れた人が安心して話を聴いてもらう
・不眠やメンタル不調を抱える社員が産業カウンセラーに相談

なお、「コーチングとティーチングの違いとは?それぞれのメリット・デメリットと使い分けのヒントを解説」の記事では、コーチングとティーチングの違いや混同されやすいその他手法の特徴についてまとめていますので、あわせてご覧ください。

コーチングの種類(目的・対象の違い)

コーチングの種類(目的・対象の違い)

コーチングにはさまざまな種類があり、それぞれ目的や対象に応じて特徴が異なります。適切に使い分けることで、個人や組織の可能性を引き出し、成長の質やスピードを高めることが可能です。

ビジネスコーチング

ビジネスコーチングは、業務におけるパフォーマンス向上や目標達成、さらには組織への貢献力強化を目的としており、主に一般社員から管理職、リーダー層などが対象です。

ビジネスコーチングでは、現場の具体的な課題解決やスキル強化が中心に行われます。また、実践を通じて行動変容を促す支援が重視され、目標設定やPDCAサイクルの定着にも効果が期待されます。

例えば、部下の指導力向上や売上目標の達成支援、チーム運営の改善などの場面で活用されることが多くあります。

エグゼクティブコーチング

エグゼクティブコーチングは、経営者や役員、幹部といった経営層を対象とするコーチングです。主な目的は、経営判断力やリーダーシップの強化、組織戦略の明確化とその実行支援にあります。

エグゼクティブコーチングではビジョン策定や意思決定支援といった深い思考が求められるテーマを扱うため、コーチにも高いビジネス経験や経営視点が求められます。

活用シーンとしては、経営層の意思決定支援や組織再編のほか、後継者育成や幹部強化の場面でも有効です。

キャリアコーチング

キャリアコーチングは、自分らしい働き方やキャリアの方向性を考えたい人を対象としています。新卒から若手、ミドル世代のビジネスパーソン、さらには転職希望者などが主な対象です。

キャリアコーチングでは、個人の強みや価値観、人生の目的などを深く掘り下げながら、キャリアの明確化や適職の発見を支援。例えば、キャリアに迷いがある人への相談や、自己分析・棚卸しの支援、キャリアチェンジを検討する際などに活用できます。

メンタルコーチング

メンタルコーチングは、心の安定や自己肯定感の向上、モチベーションの維持を目的としています。ビジネスパーソンに限らず、アスリートや学生など幅広い層に対応可能です。

メンタルコーチングでは、感情のコントロールや自己理解を深めることに重点を置いており、ストレスマネジメントや緊張・不安への対処、モチベーションが上がらないときのサポートに役立ちます。

セルフコーチング

セルフコーチングは、自分自身と向き合い、思考や感情を整理することで自己成長へとつなげる手法です。特定の対象はなく、自己成長を望むすべての人が取り組むことができます。

通常のコーチングでは、コーチが対話や問いかけを通じて支援を行いますが、セルフコーチングではコーチの役割を自分自身が担います。自ら問いを立て、内省を深めることが特徴です。

具体的には、ノートへの記録や質問リストの活用などが代表的な方法です。セルフコーチングを継続することで、習慣や目標を見直すきっかけにもなり、自己成長の加速が期待できます。

日々の振り返りや重要な意思決定の場面、あるいは漠然とした不安や迷いを整理したいときなど、幅広い場面で有効なアプローチといえるでしょう。

その他のコーチング

上記以外にも、特定のテーマや対象に特化したさまざまなコーチングがあります。

コーチングの種類 内容
ライフコーチング 人生全般の在り方を見つめ直す支援
子育てコーチング 親子関係や育児の悩みに対応
ヘルス/ウェルネスコーチング 健康的な習慣の定着や生活改善を促す
リレーションシップコーチング 人間関係の改善を目指す
スポーツコーチング 競技力の向上やメンタル面の強化をサポート

これらは目的に特化しているため、それぞれの課題や目標に応じて選ぶことが重要です。

数あるコーチングから選ぶポイント

コーチングを受ける際には、数多くあるスタイルやコーチの中から、自分に合った選択をすることが重要です。目的や相性、実績、料金体系などを確認することで、納得のいくコーチング体験につながります。以下のポイントを参考に、最適な選択を検討しましょう。

なぜコーチングを受けたいのかを明確にする

コーチングを選ぶにあたって、まず取り組むべきことは「なぜ自分がコーチングを受けたいのか」を明確にすることです。目的が曖昧なままだと、自分に合ったコーチや適切なスタイルを選ぶのが難しくなります。

「リーダーシップを強化したい」「キャリアの方向性に悩んでいる」「部下との関わり方を見直したい」など、目的によって必要とされるサポート内容は大きく異なります。

仮に「マネージャーとしての対話力を高めたい」と考えている場合、ビジネス経験を持つコーチを選ぶことで、より実践的なアドバイスを受けられるでしょう。

コーチの経歴や資格、実績をチェック

コーチングを提供する「コーチ」は、実は誰でも名乗ることができます。そのため、信頼できる相手かどうかを見極めることが非常に重要です。

判断の手がかりとなるのが、資格・経歴・実績といった客観的な情報です。例えば、認定コーチ資格を持つ人であれば、一定のトレーニングを受け、コーチングの基本スキルを備えていると判断できます。

「認定資格を保有しているか」「どのような業界・クライアントを支援してきたか」といったポイントを確認したうえで、信頼性を見極めるとよいでしょう。

コーチのクライアントの声を参考にする

コーチングの効果を高めるうえで、自分との相性は重要な要素のひとつです。そのため、実際にコーチングを受けたクライアントの意見に目を通すことは、有益な判断材料となります。

レビューや感想を確認すれば、コーチのスタイルや関わり方、実際に得られた成果などをより具体的にイメージしやすくなります。

「安心して話せた」「考えが整理できた」「行動に変化があった」などの声を参考に、自分に合うコーチかどうかを判断しましょう。

料金やセッション形式を確認する

コーチングは継続的に受けることを前提とするケースが多いため、料金やセッションの提供方法が自分の生活スタイルに合っているかどうかを、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

▼確認しておきたい項目

  • オンラインで受けられるか
  • 通いやすい場所にあるか
  • 期間や回数は自分にとって適切かどうか
  • 費用に対して納得感があるか など

料金体系には、「月2回・3か月で○万円」といった形式のほか、1回ごとに予約できることもあります。自分の目的やペースに合わせて、無理のない形を選びたいところです。

また、セッションの実施形式も重要なポイントです。Zoomや電話、対面など、形式によって受けやすさや集中しやすさに違いが出ることがあります。ライフスタイルや好みに応じて選ぶことで、継続しやすくなるでしょう。

種類を理解して目的にあわせたコーチングを受けること

種類を理解して目的にあわせたコーチングを受けること

コーチングは、対話を通じて自発的な気づきや行動変容を促す手法で、個人の成長や組織の活性化に広く活用されています。目的や対象に応じて多様な種類があり、相性・実績・料金・形式などを確認して自分に合ったコーチを選ぶことが重要です。

なお日創研では、企業にコーチングを取り入れたい方に向けたセミナーをご用意しております。

例えば、「企業内マネジメントコーチング1日セミナー」は部下の自主性を引き出すコーチングの基本となるマインドを学ぶことが可能です。

また、マネジメントコーチングのスキルを体得したい管理職・経営層の方向けの「企業内マネジメントコーチング8か月プログラム」もご用意。このプログラムでは、期間中に規定回数のコーチングの実施および報告書の提出など、実践を重視しているため、学びをアウトプットできます。

企業内マネジメントコーチングの受講生インタビュー

ぜひ、マネジメントコーチングを人材育成に取り入れたいという方は、日創研のセミナーをご検討ください。

企業内マネジメントコーチング1日セミナー

コーチングとは何か?どのように使えるのかを明確にします。コーチングによって陥りがちなパターンも明確にします。部下を持つ人には必須です。

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