SILLICON VALLEY BLOG

シリコンバレー通信

Vol.006 シリコンバレー視察セミナー3日目

3日目は、Mark Katoさんやチャットワークさんが事務所を構えるPlug and Play Tech Centerの訪問からスタートしました。

昨日同様、目的地までのバス車内で、Mark Katoさんに、Plug and Playの基礎知識を説明いただきました。

場所は、シリコンバレーの中心に位置し、現在350~400社のスタートアップ企業が入居しているそうです。
GoogleやPayPalなどの今や誰もが知る企業の、スタートアップにも縁深いこの建物の中には、企業はもとより、大学や銀行、投資家、コンサルタント、法律家など、様々な組織がひしめき合い、時に刺激しあい、時に協力しあい、それぞれの成功を目指しているとのことでした。

今日はたまたま、その建物の中で、「expo」と銘打った、ビジネスマッチングのイベントが開催されたこともあり、足を踏み入れただけで、熱気を感じる独特な雰囲気でした。

実際にChatWorkさんの事務所スペースにも案内していただきました。現在は山本社長はご不在ですが、参加者の何人かの方は、日創研で知り合った山本さんが、遠く離れたシリコンバレーの伝統あるPlug and Playに、会社のロゴを掲げていることに、大きな刺激を受けていらっしゃいました。
 
 
次は、Microsoft社に訪問しました。
今回は、「GARAGE」と名付けられた、研究所のような部屋で、担当者の方から、お話を伺いました。
私の勝手なイメージでは、みんなパソコンに向かって、プログラム開発に熱中している社内の様子を思い浮かべていましたが、この「GARAGE」は他社製品が無造作に置かれていたり、マネキンが並んでいたり、工具や部品が乱雑に散らばっていたりする、どこか不思議な空間でした。
担当者の方の説明によると、この部屋では、働く人の自由な発想を引き出し、そのことで満足度を高め、長く働こうという気持ちになってもらうための社員さん向けイベントや勉強会を開催する場として使っているそうです。

「GARAGE」という名前は、大企業である自分の会社において、一個人の意見やアイデアなど何の力も持たないという冷めた気持ちを払しょくし、(昨日視察した)ヒューレットパッカード社のガレージのように、小さなことからでも、大きな成功を掴み取ることができるという気持ちを掻き立てたい思いも込めて、つけられたそうです。
部屋の自由な雰囲気にも後押しされ、担当者の方と受講生との質疑応答を行ないました。
その後、頭に装着すると、目の前に恐竜やサメなどが、立体的に目の前に浮かび上がる「ホロレンズ」という新しい製品を実際に試させたいただきました。
参加者の皆様は、時間のたつのも忘れ、楽しく体験していらっしゃいました。

昼食は、Microsoftのカフェテリア(社員食堂)で、社員さんたちと一緒にとらせていただきました。福利厚生の一環として、社員さんは、
何をどれだけ食べても無料だそうです。
洋食、イタリアン、和食など、目の前で調理してくれる料理を食べることができましたが、どれも野菜がふんだんに使われたヘルシーなものでした。
後で、マークさんから説明がありましたが、メニューは社員さんの満足、そして健康に配慮して考えられていて、腕のいい調理人をそろえて美味しいものを提供しているそうです。

各テーブルに、いろいろな年齢や国籍、男性女性が集まり、楽しそうにディスカッションしながら食事をする姿も印象的でした。

 
 
午後は、まずインテル社を訪問しました。

常設されている、インテルミュージアムにも足を運び、Mark Katoさんに詳しくガイドをしていただきながら見学しました。

その後は、シスコシステム社を訪問しました。
こちらでは、担当者の方から、約80分にわたる会社説明を、スライドをもとに聴かせていただきました。
中でも、参加者の皆さんが興味を持たれていたのが、7万2千人の社員に対して行う、人材教育についてでした。
人材育成をとても重要視されているとのことで、各階層や能力に応じて、スキル開発、管理能力向上、商品に特化した教育など、幅広いトレーニングメニューを取り揃えているそうです。
それも、本人に一任するのではなく、その人にあったトレーニングを会社や上司が推奨し、それに沿って先輩・上司がボランティアで時間を割きながら、自分の持っているスキルや知識を伝達するそうです。
国や文化、規模が違っても、企業発展には人材育成が欠かせないものであること、真の人材育成には手間暇をかけることが大切であることを、改めて理解する機会となりました。

明日は、それぞれ自由視察となりますので、夕食前に、それぞれ感想発表を行い、その後、Mark Katoさんからミニレクチャーをしていただきました。
この3日間で繰り返し出てきた、失敗を糧ととらえて次に活かすこと、そしてスピードを心がけることを、日本に帰ってからも忘れることなく、今の気持ちを大切にしてほしいと、まとめていただきました。

(株)日本創造教育研究所
経営企画室 内潟 修司

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