SILLICON VALLEY BLOG

シリコンバレー通信

Vol.014「シリコンバレー視察セミナー」2日目

シリコンバレー視察セミナー2日目も、皆様お元気で、予定通りの行程を終了しました。

8時半にロビー集合後、バスに乗車。渋滞する道路を約1時間走り、スタンフォード大学に移動しました。

渋滞を解消するため、一番左のレーンは、二人以上が乗った車か、電気自動車のみが、走れるよう定められているそうですが、最近は、電気自動車が増えたため、他のレーンと変わらなくなってきているそうです。しかし、このようなところにも、社会の問題・課題を解決しようと、まずは試してみる、やってみるという、チャレンジ精神を感じとることができます。
 
 
車中では、Markさんから昨日の復習を兼ねたミニレクチャーを行っていただきました。中でも、参加者の皆さんが強く興味を持たれていたのが、AIやIoTのイメージが日本では誤って広まっているという話題でした。

日本でAIの権威と言われている大学教授が、最近スタンフォード大学でAIに関する講演を行ったところ、聴衆のひとりであったアメリカのAIの専門家から、
「今の話って、AIじゃなくてコンピュテーションのことですよね」
とつっこまれ、赤っ恥をかいたそうです。日本の権威が捉え違えるくらい、日本では誤解がまかり通っているのだそうです。

Markさんの解説によるこの2つの違いは、次の通りです。

コンピューティングとはコンピュータがプログラムに書かれたことその通りに動くこと、一方AIとはプログラムに書かれていないことを、コンピュータ自らが学習し、能力を高めていくしくみのことだそうです。

日本は、この2つの認識が不明確で、何でもかんでもコンピュータが絡んでいると、見栄えを良くするために、AIとかIoTと付けてしまい、さらにそれを指摘する人がいないために、間違った認識がどんどん定着してしまっているそうです。

世の中に与えるAIの影響がどんどん大きくなっているだけに、日本もまずは用語の定義を正確に捉えるところから、きちんとAIと向き合わなければ、ますます遅れをとってしまうという危機感を皆様感じていらっしゃるようでした。

また、スタンフォードで学ばれていた田舞さんとの出会いや、当時の田舞さんのことについても、Markさんからお話をいただきました。
 
 

スタンフォード大学に到着後、デザイン思考の要点についてvia(Volunteers in Asia)のエグゼクティブ ディレクター石田 一統 氏からレクチャーをいただき、その後より理解を深めるために、二人一組でワークショップを行いました。

デザイン思考の流れに沿って、
①共感 ②問題定義 ③創造 ④プロトタイプ ⑤検証 を
実体験いただきました。
限られた短い時間の中でのワークでしたが、「熱中して体が熱くなった」「ワクワクした」「自分の脳がまだまだ若いと思えた」など、皆様興奮気味で、とても充実した時間となりました。
会社に戻って、この体験をぜひ活かしたいという声が、多く聞かれました。

その後の昼休みには、学生さん用のフードコートにて、スタンフォード大学の学生さんに混じって思い思いにランチをおとりいただきました。

午後には、政治学博士の櫛田 健児先生にジョークも交えながらのテンポよいご講演をいただきました。
お約束は90分でしたが、参加者の皆様の熱心に聞く姿勢が伝わったようで、終わってみれば、30分超過の120分にわたり、シリコンバレーの実情をお話いただきました。

全般を通してお伝えいただいたことは、、日本人は素晴らしい力を持っているのだから、もっと自信を持つこと。そして、努力の方向を間違えることなく、世の中を良くすることをモチベーションにして、もっともっと力を発揮することが大切であるといった我われに対するエールのような内容でした。
参加者の皆様は、今世の中で起きていることの理解が深まり、とてもご満足されたご様子でした。

スタンフォード大学を後にして、シリコンバレー発祥の地とされる、ヒューレットパッカードのガレージを見学し、その後、トレーダー・ジョーズとホールフーズの各店舗に足を踏み入れて、アメリカの流通業の実態を肌で感じていただきました。

2日目も大変、充実した一日となりました。

Markさんから、シリコンバレーから旅立つ時には、ぜひ頭の中をぐちゃぐちゃになった状態にしてもらいたいと昨日のスタート時にお話がありましたが、2日間で、シリコンバレーをさまざまな角度から感じた皆様は、まさにその状態に近づいていることと思います。

明日のメインは、3社の企業訪問です。
各社のトップ、あるいはご担当者のお話を直接聞いて、私たちが学ぶべき仕事に対する姿勢や働き方を吸収する一日として参ります。

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