企業組織における社員教育では「モラル教育」も必要!その理由やおすすめの研修について

モラルとは、人間が社会生活を営む上で守るべきとされる規範や道徳観、倫理観のことです。
企業活動を通して社会に貢献するべき立場である企業組織においても、法令やモラルを遵守した経営を行うこと、そして自社の社員・スタッフが社会人として、また組織の一員として高いモラルを持って業務に取り組めるように社員教育を施すことが求められます。
そこで今回は、全国に14,000社以上もの会員企業様を抱え、中小企業の社員教育をサポートしてきた日創研が、なぜモラル向上のための社員教育が重要なのかについて解説していきます。
また併せて、会社でモラルの低下が起こった場合に考えられる原因やリスク、モラルの向上を目的に社員教育を行う際におすすめのセミナーの具体例も紹介していきますので、自社のモラル教育について悩んでいるという経営者、人事担当者の方は、ぜひ参考としてご覧ください。
目次
企業が社員教育としてモラル教育を行う重要性とは
企業組織が、自社の社員・スタッフのモラル向上を目的とした社員教育を行うことの重要性、またモラル教育をするべき理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 企業としての社会からの信頼を守ることと組織全体のリスクヘッジにつながるから
- 会社としてのコンプライアンスやハラスメントへの考え方を社員に周知できるから
- 社員に社会人として、会社の代表として働いているという自覚を高めてもらうため
SNSで拡散されたり、ニュースで取り上げられるような企業のスキャンダルやコンプライアンス違反のほとんどは、組織全体やそこで働く個人のモラルの低下が原因で発生するものです。
そのため、コンプライアンス違反や企業としての信頼の失墜を防ぐには、社員教育の一環としてモラル教育を実施するのが効果的だと言えるでしょう。
なお、モラルと混同されやすい言葉にルールやマナー、コンプライアンスがありますが、これらはそれぞれ意味が異なります。そこで以下の一覧に、ルール・マナー・コンプライアンスの定義やモラルとの違いについてまとめましたので、こちらもぜひ参考としてご覧ください。
ルール | 守るべきと定められた規則や規定のこと。 特定の場所や条件、環境の中で過ごす・関わる人が守らなければならない明確な決まりごとで、破った場合は罰則の対象となることがある。 例)就業規則、提出期限 など |
マナー | 特定の場における行儀作法や礼儀作法のこと。その場所や環境、相手に対して客観的に見てふさわしい言動のことで、個人の主観を基準とするモラルとは区別される。 例)ビジネスマナー、テーブルマナー など |
コンプライアンス | もともとは法令(法律や行政機関等による命令)を遵守するという意味を持つ言葉だが、企業に対して使う時は、法令だけでなく倫理観・公序良俗等のモラルまで守った企業活動をすることという意味で使われる。 |
社員のモラルが低下することによるリスク
社員一人ひとりのモラルが低下すると、組織全体に悪影響が及び、仕事の進め方や人間関係において以下のようなトラブルが発生するリスクが高くなります。
- 社内のルールを守る社員が減り、日々の業務に支障をきたすようになる
- 社員同士のコミュニケーションの質が低下し、職場の人間関係が悪化する
- モラルハラスメント等、各種のハラスメントが常態化した組織になってしまう
- 会社の備品や共有物が大切に扱われなくなり、経費増大の一因となる
- 誠実さに欠けた仕事をする社員が増え、お客様や社会からの信用を失う など
社員教育としてモラル教育を実施することは、会社としての売上や競争力、また社会的信用を維持・向上する上で欠かせません。社員教育では、業務に必要なスキルや知識、資格等だけでなく、社会人としてのモラルについて教育することも非常に大切だと理解しておきましょう。
社員のモラルの低下はなぜ起こる?主な原因は?
ここまでに見てきたように、社員のモラルの低下は企業の社会的信用を失墜させ、職場環境を悪化させる要因となります。それではなぜ、企業組織と働く個人の双方にとって望ましくないはずのモラルの低下が、一部の企業や社員の間で起こってしまうのでしょうか。
私たち日創研は、企業組織や社員にモラルの低下が起こる主な原因は「ルールやモラルを軽視する社風・環境」にあると考えています。
例えば、一人の社員が提出期限や報告・連絡・相談等に関する社内のルールを破ったり、自身の倫理観を基準に、お客様や他の社員に思いやりのない対応や振る舞いをしたとしましょう。
不正やモラルを軽視した言動は、必ず当事者以外の社員からも見られているものです。そのため、もしも不正や問題となるような行動が誰からも咎められることなく見過ごされれば、それを見た他の社員もルールやモラルを自分に都合よく解釈し、仕事をするようになるでしょう。
こうして小さな不正や問題行動が積み重なっていくことにより、社員と組織の全体においてモラルの低下が進行していくのです。
組織のモラル向上のために社員教育としてできること
ここからは、社員と組織全体のモラルを向上させるためにできることについて、具体的に紹介していきます。社員にモラル教育を行う方法としては、大きく以下の3つが挙げられるでしょう。
- 会社として設定したルールに、守ってほしいモラルを盛り込む
- 社員教育の目的にモラルの向上を加え、モラル研修を実施する
- 対話の機会を増やし、社員や部署間での相互理解を促進する
まずは、会社として設定するルールの一部に最低限守ってほしいモラルを盛り込み、厳守してもらうようにします。これにより、ルールを破っても良いという緩い社風を是正するとともに、社員にモラルを持った人との接し方・仕事の進め方の基本を身に着けてもらいましょう。
そしてその上で、組織としての社員教育の目的の一つに「モラルの向上」を掲げ、モラル研修を実施してください。ただし、モラルに関する研修を実施しただけでは社員教育の意味がありませんので、研修後にはアンケートを実施するなどの効果測定やフォローアップを行い、学んだことの定着を促すようにします。
またルールの見直しや研修と併せて、対話の機会を増やすこともモラルの向上に効果的です。
他者にモラルを持って接するには相手の立場や気持ち、また自分の言動が相手や組織に及ぼす影響について想像できなければなりません。そのため同じ部署の上司・同僚はもちろん、他の部署の人とも対話してお互いのことを知る機会を増やすということにも、社員のモラルを向上させる効果が期待できます。
社員向けのモラル教育を成功させるコツ
社員教育としてモラルに関する教育・研修を実施する際の課題としては、主に以下の3つが挙げられるでしょう。
- 日々の業務や売上に直結しないモラル研修の重要性が、社員さん達に伝わらない
- 重要性がわからないため、社員教育としてモラル研修を実施しても成果が上がらない
- モラルの向上ではなく、モラル研修を実施すること自体が目的化してしまう
モラル教育を成功させるには、モラル向上が組織全体と社員全員の労働環境に関わる重要な課題であることを、あらかじめ会社から全社員へ説明し、理解してもらわなければなりません。
もし、モラル研修の実施を告知した時に、社員から研修の必要性を疑問視する声が複数上がるようなら、まずは文書や説明会などでモラル向上の重要性を周知する機会を設けましょう。
また、実際に社員の不正やモラルを軽視した言動が会社の信用低下につながった事例を伝えることにより、一人ひとりの社員に自らが会社の代表であり、多大なる責任を担っていることを自覚させるのも効果的です。
自社の状況や社員のタイプに合わせて、モラル向上のための社員教育を実施してください。
モラル教育に効果的!社員教育におすすめのセミナー例
ここからは、中小企業の社員教育を幅広く支援してきた日創研のセミナーのうち、モラル向上のための社員教育に適した種類として、各種の「可能思考セミナー」を紹介していきます。
可能思考セミナーとは、いくつかの段階に分けて可能思考能力について学んでいくセミナーの総称です。そして可能思考能力とは、目の前の物事を肯定的かつ前向きに解釈して、その解決に向けてやり抜く力や、個人やチームで目標を達成する力など、社会人としての職務遂行能力を高めるための基本的な考え方やスキル、価値観のことだと言えるでしょう。
日創研の可能思考セミナーは、自身の言動が周囲に与える影響も含め人材としての自分を正しく理解・認識するのを促すところからセミナーを始めるため、モラル教育にもつながります。
各地での研修会の他、オンラインでも受講が可能ですので、自社の社員教育の一環としてモラル教育を実施したいと考えている場合は、以下より各種可能思考セミナーのテーマや特徴をご確認の上、ぜひ受講をご検討ください。
- 自己という人材への気づきをテーマにした「SA自己成長コース」
- 長所を最大限発揮できるようにするための「SC自己実現コース」
- 実践型セミナーで目標実現までの過程を学ぶ「SGA目標実現コース」
モラルの向上は、社員教育における重要な教育テーマの一つ
社員がモラルに欠けた言動を取ると、企業組織としての存続やそこで働く個人の未来も危うくなってしまうため、すべての社員とスタッフには、会社の代表として常にモラルある振る舞いをすることが求められます。
企業には自社の社員にモラルの低下が起きていないかを常にチェックするとともに、必要に応じて社員教育を行い、組織のモラルの維持・向上を図る責任があると覚えておきましょう。
なお日創研では、人材を育てるための基本的な考え方や仕組みづくりのポイントについて、上司・部下・組織の3つの側面から学んでいただける「人材育成ワンポイントセミナー」を開催しています。
社員教育を通してモラルの高い社員を育成するために、まずは人材育成の基本や自社に合った仕組みづくりのポイント等を学んでおきたいという経営者、人事担当者の方は、ぜひ日創研の「人材育成ワンポイントセミナー」の受講をご検討の上、お気軽にご相談ください。
