効果的な社員教育の方法5選を紹介!自社に合う方法を選ぶためのポイントとは?

企業の経営戦略や将来的な経営目標を達成するため、また社員一人ひとりの自己実現をサポートすることなどを目的に、会社が自社の社員を積極的に教育することを社員教育と言います。
効果的に社員教育を行うには、適切な教育方法の選定が欠かせませんが、自社にとって最適な方法やその選び方がわからず悩んでいるという経営者、人事担当者の方は少なくありません。
そこで今回は、全国に14,000社以上もの会員企業様を抱え、多くの中小企業の社員教育を支援してきた日創研が、社員教育の方法について解説。代表的な5つの方法の概要や特徴をはじめ、自社にとって効果的な社員教育の方法を選び、活用するためのポイントも紹介していきます。
目次
社員教育とは?実施される研修内容の具体例
まずは、社員教育の一般的な定義や内容の具体例について、簡単に確認していきましょう。
冒頭でも少し触れた通り、社員教育とは、企業が組織として存続と発展を続けるために、また組織で働く個人が成長し自己実現できるように、会社側が計画的に社員を教育することです。
どのような内容やスケジュール、方法で社員教育を進めていくかは、企業により異なります。
ただ一般的には、はじめに組織全体としての社員教育の目的と目標を明確にし、それに合わせて教育対象の階層や職種、教える内容、方法を具体化していくケースが多いでしょう。
なお社員教育の目的と対象者、それぞれを軸に設計・実施される社員教育の具体例としては、以下の一覧にまとめたようなものが挙げられます。
目的を軸とした社員教育の具体例
ビジネスマインドセット研修 | 仕事への基本的な価値観、考え方などを変革または改善することを目的とした社員研修。 |
ビジネススキル研修 | 問題解決力やロジカルシンキング等、ビジネスに役立つスキルを習得するための研修。 |
リーダーシップ・フォロワーシップ研修 | 会社の発展と業績向上に不可欠なリーダーシップとフォロワーシップ、上司と部下の健全な関係構築について学ぶ研修。 |
マネジメント研修 | 人材の育成・管理の方法を含め、チームとして数値目標を達成するための技術や考え方を身につけるための社員研修。 |
階層を軸とした社員教育の具体例
新入社員向けの研修 | 入社したばかりの新入社員に向けて、基本的なビジネスマナーや仕事の進め方等について教育する研修。 |
若手社員向けの研修 | 入社して数年以内の若手社員に、スキルアップや生産性・業務効率の向上に必要な能力や考え方を身に着けてもらうための研修。 |
中堅社員向けの研修 | 自律型人材としての成長に加え、人材育成やマネジメントに関するスキルの獲得・向上を促すための研修。 |
管理職向けの研修 | 人材の管理と育成、組織での数値目標達成に必要なスキルの他、コンプライアンスやハラスメント等への意識を高めるための研修。 |
社員教育の方法を選ぶための基礎知識
社員教育とは何か、具体的にどのようなことを指すのかを理解できたところで、次は、自社に合った社員教育の方法を選ぶために知っておくべきことについて見ていきましょう。
詳しくは後述しますが、社員教育にはさまざまな方法があり、それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。また方法によって得られる効果や相性の良い教育対象・学習内容なども異なるため、自社に合うものを複数選び出し、適切に組み合わせて使い分けることが求められるのです。
具体的には、自社の現状や解決するべき問題・課題を把握した上で、以下の条件に照らし合わせて社員教育の方法を選択する必要があると覚えておきましょう。
- 経営戦略や人事戦略など、自社の方針・価値観に合った方法はどれか
- 社員教育の対象となる社員の階層・職種と相性の良い方法はどれか
- 自社の社員教育の目的、またはテーマと相性の良い教育方法はどれか
- 社内の現状やコストの観点から見て、取り入れやすい教育方法はどれか
- 自社の将来的なビジョンと整合性が取れる社員教育の方法はどれか
代表的な社員教育の方法5選
ここからは、社員教育の現場で使われることが多い代表的な5種類の方法について、その特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。自社の状況や価値観に合った社員教育の方法を選び、組み合わせていくための参考として、ぜひひと通りご確認ください。
【社員教育の方法1】OJT(On the Job Training)
OJTとは、現場で上司や先輩が指導・監督しながら、実務を通して社員教育を行う方法です。
この方法のメリットとしては、通常業務の延長のような形で社員教育を進められるため実践的なスキルを身に着けやすいこと、また日々の業務で関わることになる上司や同僚との関係構築にもつながるところが挙げられるでしょう。
特に新入社員研修において導入されることが多い教育方法ですが、担当者の意欲や技術レベルによって成果にばらつきが生じるリスクが高く、現場の社員への業務負担が大きくなりやすいというデメリットもあります。
【社員教育の方法2】OFF-JT(Off the Job Training)
通常業務とは別に時間と場所を確保し、社員教育を実施する方法のことをOFF-JTと言います。
OFF-JTのメリットとしては、業務から離れるため集中して学習に取り組めること、そして教育対象に合わせて教える内容や難易度を調整しやすいことが挙げられるでしょう。一方でデメリットとしては、学ぶだけでは知識や技術が定着しにくいこと、社外で開催される講習会等への参加や、講師を招いての社内研修会の実施に一定のコストがかかることが挙げられます。
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【社員教育の方法3】集合型の研修やセミナー
社内外の会場に集まって、または主催者が指定する日時にオンライン上のプラットフォーム等にアクセスして講師から話を聞いたり、参加者同士で意見交換や課題解決をするグループワーク、ワークショップ等の集合型の研修やセミナーも、社員教育の方法の一つです。
代表的なOFF-JT手法の一つである集合型の研修や講習、セミナーのメリットとしては、講師や参加者とコミュニケーションを取りながら学習を進められるため、その道のプロや他者の意見も踏まえた学びが期待できることが挙げられます。
一方でデメリットとしては、参加や開催にある程度のお金がかかること、また受講する講習の時間や期間が長いと、社員にとって負担が大きくなることが挙げられるでしょう。
【社員教育の方法4】eラーニング
eラーニングとは、Web上に用意された動画や文章等のコンテンツを利用して社員教育を進める方法のことです。インターネット環境さえあればいつでも、どこにいても学習が可能なため、教育対象者にとって都合の良いタイミングで学習を進められること、教育の内容を均一化しやすいことが大きなメリットだとされています。
一方で、ロールプレイングやコミュニケーションが必要な実技の習得には向かないこと、またWebに関する一定の知識がないと活用が難しいところは、デメリットだと言えるでしょう。
なおeラーニングを使った社員教育の方法には、大きく以下の2パターンがあります。自社独自の教材等を作成する場合は、一般教養のみの学習に使う場合に比べてコストがかかりますが、その分eラーニングの活用の幅が広がりますので、自社に合う使い方を検討してみてください。
- ビジネスに関する一般的なマナーやスキル、知識を学ぶツールとして使う
- アプリ上に自社独自のマニュアルや教材を作成して、社員教育全般に使う
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【社員教育の方法5】自己啓発支援
業務関連のスキルアップや資格の取得等を目的として、社員が自主的に通信教育やスクール等への通学、書籍購入等をする場合に、企業側がその費用の一部や時間の確保を支援することを自己啓発支援と言います。
この方法のメリットとしては、実務に支障をきたしにくく学習のモチベーションを保ちやすいこと、デメリットとしては本人の意欲によって成果が左右される可能性が高いこと、また学習が組織全体の利益や成長に結びつかない場合もあること等が挙げられるでしょう。
それぞれの方法で効果的に社員教育を行うポイント
どの方法で社員教育を行うにしても、学んだことがどの程度社員のスキル・知識として定着しているのかを確認するための効果測定や、その結果に対するフィードバックなど、学習後のフォローアップは必要になります。
社員教育の方法を決める際は、併せて学習後のフォローの仕方についても具体的に考えておきましょう。
また社員教育に注力するのと同時に、社員が継続的に学ぶ動機付けになるような仕組みづくり、人事評価制度の整備を進めることも大切です。社員教育の計画や人事制度は、時代や人材の価値観、特性の変化に合わせて定期的に改善する必要があると覚えておいてくださいね。
方法を学ぶことが、自社に合った社員教育をするための第一歩
最適な社員教育の方法は会社の経営戦略や人材育成への考え方、社員教育に割くことができるコスト等によって変わってくるため、絶対的な正解はありません。自社に適した社員教育の方法を選ぶには、企業が自社について正しく把握し、各方法への理解を深めるしかないのです。
これから社員教育に注力するなら、社員教育にはどのような方法があるのか、そのうち自社に合うものはどれかを経営者や管理職、人事担当者が学ぶところから始めると良いでしょう。
なお日創研では、企業にとって最も重要な経営資源である「人」を育てるための基本的な考え方や仕組みづくりのポイントについて、上司・部下・組織の各側面から学んでいただける「人材育成ワンポイントセミナー」を開催しています。
社員教育のプログラムやカリキュラムを具体化し、方法を決定する前に社員教育や人材育成について学び直しておきたいとお考えの経営者の方は、ぜひ日創研の「人材育成ワンポイントセミナー」の受講をご検討の上、お気軽にご相談ください。
